
ベルナベウ劇場の演目はまだまだ続きます。
有名なアリア『誰も寝てはならぬ』がベルナベウに響き渡ります。ルチアーノ・パバロッティの歌が90年イタリア・ワールドカップの英国でのテレビ中継のオープニングに使われ、英国チャートでナンバーワンヒットを記録した、懐かしい曲です。これはうっとりと聞き惚れてしまいました。
そしてふたつの巨大なオーロラビジョンには“白い巨人”レアルの歴史を彩ったスターたちのプレーシーンが流されます。チャンピオンズ・カップ決勝で素晴らしいボレーを放つアルフレード・ディ・ステファノ、エミリオ・ブトラゲーニョ、怪物ロナウド、ロベルト・カルロス、デイビッド・ベッカム、ジネディーヌ・ジダンとレアルの歴史に留まらず、フットボールの歴史に残る、偉大な瞬間が映し出されていきます。
ハイライトショーが終わると、照明が灯り、ベルナベウは真昼のように明るくなります。まるでカーテンが上がった劇場のようです。いよいよ試合開始です。
この試合の勝利によってレアルはついにバルセロナを抜いて、リーグ首位に踊り出ました。この劇場にふさわしい最高のシナリオといえるでしょう。
不倫問題でイングランド代表キャプテンをはく奪されたジョン・テリーが、一連の騒動以来、初めてウェイン・ブリッジと顔を合わせる試合だからです。テリーの不倫相手はブリッジの元ガールフレンドで、ブリッジと彼女の間には息子がいます。
センターバックのテリーと左サイドバックのブリッジでは試合中の直接対決はあり得ませんので、最も注目を集めたのはキックオフ前の量チームの選手が握手を交わす時。英国中が見守ったと言っても過言ではない、このシーン。テリーが差し出した手をブリッジは握りませんでした。
ブックメーカーはこの試合にさまざまなオプションを設定していました。ふたりが握手をするかどうかはもちろん、「ブリッジがテリーにタックルしてイエローカードをもらう」あるいは「ブリッジがテリーにパンチを食らわして退場になる」など、呆れるほど細かい設定になっていました。
被害者といっていいはずのブリッジは試合中ずっと、チェルシーファンからのブーイングにさらされていました。負傷したアシュリー・コールに代わって、イングランド代表の左サイドバックに返り咲くのでは? と言われたブリッジは、この週に「代表復帰はない」と明言しました。その理由は明かされませんが、今回の騒動が影響しているのは間違いないでしょう。
選手のプライベートは守られるべきだと思いますが、妻子がありながら、元チームメイトの元ガールフレンドに手を出すのは、代表チームのキャプテンにふさわしい行動とは言えません。しかもA・コール(コールはコールで不倫がバレて、シェリル夫人に別居を宣言されてしまいました)の離脱という事態に二番手と思われていたブリッジが拒否したために、ファビオ・カペッロ監督は後任探しに苦労しています。
現段階ではアストン・ビラのスティーブン・ワーノックかエバートンのレイトン・バインズが有力と言われていますが、実力や経験からしても、ベストなのはブリッジが前言撤回して、代表チームに戻ってくれることだと思います。
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店内は古いセルティックのシャツやスカーフ、いろいろなメモラビリアで飾られ、なんだかここがロンドンだということを忘れてしまいそうです。

パーティはコメディアンのお笑いトークから始まり、マッカベニーとマクロースキへの質疑応答へと続きます。いろいろな話題に集まった人たちは一喜一憂していましたが、最高に盛り上がったのはレンジャーズとのオールドファームの裏話でした。
チャリティオークションなども行なわれ、あっという間に時が過ぎていき、帰宅したのは午前4時を回っていました。感心したのは、私たちが店を出る時にも、マッカベニーとマクロースキはまだ店に残って、ファンとのおしゃべりを楽しんでいたこと。名選手だけにタフだし、ファンへの気遣いも一流ですね。
今回、私はこのアイリッシュパブは素敵な場所だけど、危険でもあることを学びました。なにしろ、ここは店内に時計がなく、何時だろうと照明が煌々とついているのです。その明るさときたら、まるでラスベガスなんですから! これじゃあ時間を忘れてしまうわけです。
今回は「セルティックの夕べ」でしたから、問題ありませんでしたが、もしこれが「ハマーズ(ウェストハムの愛称)の夕べ」で午前4時に帰宅したら、私は間違いなく妻にぶっ飛ばされていたことでしょう。
そんななか、テニスのアンディ・マレーがオーストラリア・オープンの決勝に進出しました。テリーのニュースに代わって、マレーの快挙を伝えるニュースが1面を占めたことはまさに一服の清涼剤でした。
最後に英国人がグランドスラムで優勝してから74年。長い不毛の時を過ごしてきた英国民がマレーの一挙手一投足を見守りました。テレビ中継は英国時間で日曜日の朝8時。しかし、何百万人もの英国人が眠い目をこすりながら、テレビの前に座り、大英帝国の栄光復活の瞬間を見届けようとしていました。
マレーのパフォーマンスは悪くありませんでしたが、ロジャー・フェデラーの出来はそれ以上でした。そしてスイス人のキングは16度目のグランドスラム・タイトルを手に入れ、多くの英国民に重いため息をつかせたのでした。
オーストラリア・オープンの決勝進出を決めた時、マレーは「英国人(ブリティッシュ)」として扱われました。しかし、敗れた後は「スコットランド人」と見なされていたようです。オリンピックでも、いつも同じことが起きるのですが、英国内の空気の変化は微妙です。栄光をつかめば「英国人」、そうでなければスコットランド人、ウェールズ人、北アイルランド人と分類が変わるのです。イングランド人はイングランド人のままなのに。
もうすぐ開幕するバンクーバー・オリンピックで、ぜひ、この英国チームの微妙なところをチェックしてみてください。
]]>服装も厳格に規定されているこの会では男性はタキシード、女性は夜会服(ロングドレス)でなくてはなりません。非常に厳粛でそれでいて華やかなパーティです。
この会では、毎年記者が選んだフットボール界の功労者がスペシャルゲストとして招かれます。過去にはアーセン・ヴェンゲル、ライアン・ギグス、ブライアン・ロブソン、デイビッド・ベッカムらが招かれました。しかし、今年のゲストの名を聞いて、私は意外な気がしました。
今年のゲストはチェルシーのフランク・ランパード。私が意外に思ったのは、彼はまだ若く、こうした受賞のチャンスはまだまだたくさんある選手だからです。この会のゲストに呼ばれるには少し早すぎる気がしたのです。

ゲストは恒例のスピーチを行ないますが、ランパードは非常に優秀なスピーカーでした。彼は自分の家族について特に多くを語りました。彼は昨年、実母をガンで亡くしていますが、彼女の思い出について感動的に語っていました。ランパードはかつての師、ジョゼ・モウリーニョについても語りましたが、「無敗を体現させてくれた男」という言葉が印象に残りました。
元ウエストハムの選手で監督も務めたハリー・レドナップ(現トッテナム監督)も壇上に立ち、彼の甥であり、ウエストハムでの教え子でもあるランパードのことを「私が知る最高のプロフェッショナル」と絶賛しました。現在のランパードはチェルシーの選手ですが、彼の父のフランク・ランパード・シニアも、伯父のレドナップもウエストハムのレジェンドです。このハマーズ(ウエストハムの愛称)ファミリーに合うことができて、私はかなり幸せでした。
さて、スピーチが終わると、バンドが音楽を奏で始めました。つまりダンスの時間が来たということなのですが、面白いのはどのカップルも、夫人が嫌がる夫をフロアーに引きずり出していること。逆はまるでナシです。言うまでもないことですが、私も引きずり出されましたよ!
]]>このスケジュール変更はイングランド代表チームにも影響しています。
南アフリカ・ワールドカップを前にしたスリーライオンズは、今季のリーグ終了後、最終調整のための親善マッチを予定していますが、予定どおりに進行するのが難しくなったうえ、選手たちはリーグ戦の疲れをいやす時間さえなくなりそうです。
1月の最初の週のプレミアリーグはわずか3試合しか行なわれず、そのうち、ロンドンで行なわれたのはアーセナル対エバートンの1試合だけでした。
この寒さのなか、選手たちが防寒に気を使うのは当然のこと。
私が子どもの頃は真冬の試合でも特別な防寒をすることはありませんでしたが、プロ選手たちは手袋をし、シャツの下にはサーマルのアンダーウェアを着こみ、タイツを履くのも珍しくありません。
ある新聞は、選手はタフさを示すために敢えて半袖のシャツを着るべきだと主張しましたが、この日のアーセナルは全員が長袖のシャツでした。
それはクラブの方針であり、選手の意志ではないのです。
仮に選手たちの自由意思に任せたとしても、この寒さに半袖を敢えて着る選手はいないと思いますけどね。
いたとすれば、マンチェスター・ユナイテッドのガリー・ネビルぐらいのものでしょう!
今年の寒さは記録的といってもいいぐらいで、ロンドンにも大雪が降り、多くの試合が延期されています。スケジュールはグチャグチャです。
新年といえば、FAカップ3回戦が行なわれるのが恒例です。過去のデータをひも解くと、この3回戦が最も番狂わせが多いことになっています。
今年最大の番狂わせはオールドトラフォードで行なわれたマンチェスター・ユナイテッド対リーズ・ユナイテッドの3回戦でしょう。
元々は伝統あるライバル対決なのですが、プレミアリーグのマンUに対して、現在のリーズはリーグ1(3部リーグに相当)と、所属するディビジョンに大きな差があります。
わずか10年前にはチャンピオンズ・リーグでベスト4まで進んだリーズが、ここまで転落してしまうとは誰も予想していませんでした。しかし、少なくとも、ランカシャー(マンU)対ヨークシャー(リーズ)の伝統のライバル対決の熱気は今も衰えてはいません。
この試合、9000人のリーズサポーターがオールドトラフォードを訪れました。彼らが歌う「We are not famous anymore!(俺たちはもう有名じゃない)」というチャントが響き渡るなか、ジャーメイン・ベックフォードがゴールを決め、リーズが1−0で勝利。これは今回の3回戦で唯一の真の“番狂わせ”でした。
26歳のベックフォードはチェルシーのユース出身ですが、トップチームに昇格する、はるか以前にクビになり、4年前まではアマチュアリーグでプレーするかたわら、自動車修理工場で働いていた苦労人です。それがこの奇跡の勝利で脚光を浴び、ニューカッスルへの移籍が濃厚といわれる話題の人になったのですから、人生、何が起こるかわかりませんね。
一方のマンUは1984年以来の3回戦での脱落となってしまいました。アレックス・ファーガソン監督の怒りは凄まじかったのですが、自軍のパフォーマンスの悪さだけでなく、伝統の一戦で負けたことにも起因しているようです。
狙っていたタイトルをひとつ逃したマンUの今後の巻き返しにも注目していきたいと思います。
この時のイベント参加者で最も注目を集めていたのは、2018年、2022年のワールドカップ開催に立候補している国々でした。カタール(2022年)、ロシア(2018、2022年)、イングランド(2018年)、共同開催のオランダとベルギー(2018、2022年)といったところです。
2022年の開催国に名乗りを挙げているカタールは非常に強力に存在をアピールしていました。彼らの最大の利点は会場となるスタジアムが非常に近い場所に集まっているところでしょう。ファンはその気になれば1日に2試合観るのも可能です。立候補している国はPR活動のために、自国の有名選手や伝説的名選手をイメージキャラクターとして担ぎ出すのが普通ですが、そんな選手がいないカタールが担ぎ出したのは、元アルゼンチン代表のストライカーで、イタリアのフィオレンティーナのアイドルだったガブリエル・バティストゥータ! バティゴールとこんなところで会えるなんて思いもよらない幸運でした。

ロシアは2018年もしくは2022年の開催に名乗りを挙げています。私が思うに、FIFAが好む開催国はロシアのような国でしょう。まず大国で、人口も多い。そして多彩な人種と文化を持つ国です。サッカーの普及という大義を掲げるFIFAにとって、ロシアはかなり魅力的な国のはずです。そのロシアのサッカー大使はアレクセイ・スメルティン。かつてチェルシーでも活躍した選手です。また懐かしい顔を見れて、私も嬉しくなりました。
私の考えでは、おそらく2018年はヨーロッパでの開催となるはずです。そうなれば2022年は中東、もしくはアジア開催の可能性が高くなります。日本での開催を祈っている私ですが、2022年の本命はカタールとオーストラリアではないでしょうか。まだ未開催の国ということが大きなアドバンテージになりそうです。
2018年、2022年の開催国が決定されるのは2010年12月2月。今から1年後、どんな結果が出るのか、非常に楽しみです。
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今年のクリスマスはグラスゴーにある妻の実家で過ごすことにしたので、先週末、私の両親を我が家に呼んで、ひと足早くクリスマスディナーを食べました。私はクリスマスディナーが大好きなので、2度も食べられて大満足です。
息子のルーカスは本当のクリスマスの夜のためのリハーサルができた上に、私の両親からはひと足早いクリスマスプレゼントをもらえたので、これまた大満足でした。

その日、両親は朝からやって来ました。我々はシャンパンを開け、プレゼントを交換し、ディナーが始まるまで楽しく語らいました。
この日のメニューはすべて妻の手作り。まず、野菜のスープからスタート。メインはもちろん、七面鳥のローストです。これに英国ではガモンと呼ばれる燻製のハムを添えます。これがいいスパイスになるのです。それからたっぷりと野菜を摂ります。ローストポテトにカリフラワーのチーズ焼き、グリーンサラダなどなど。そして、英国のクリスマスには欠かせないヨークシャープディングのグレイビーソース添え。そこにうちの家族が大好きな「馬に乗った悪魔」もつけました。これはベーコンを巻いた小さなソーセージで、私の大好物なのです。
デザートはバナナとクリームがたっぷり入ったバノフィーパイとイチゴやラズベリーをたっぷり載せたパブロバ(薄型のケーキ。ロシアの名バレリーナ、アンナ・パブロワにちなむ。英語読みではパブロバ)。食事の間もシャンパンとロゼワインは途切れることがありません。デザートもたいらげ、満腹になった我々はリバプール対アーセナルをテレビ観戦して、楽しいディナーの締めくくりにしました。
クリスマス当日のディナーも楽しみですが、少々残念なのは、この夜は手作りではなく、街のレストランに出かける予定であること。レストランのほうが豪華な食事にはなりますが、家族の手作りにはかないません。
それでは皆さんも、楽しいクリスマスを過ごされますように。そして良いお年をお迎えください。
]]>うまく行けば、イングランドは準決勝でブラジルと対戦します。その勝者が7月11日の決勝で、スペインと対戦することになる、というのがロンドンのフットボールファンとメディアの予想です。
ずいぶん楽天的な予想だと思うのですが、ワールドカップ予選、2008年ユーロと善戦してきたことにイングランドは自信を持っているようです。ただし、本当に実力があるなら、ユーロでも優勝できたでしょうし、WC予選も無敗を守り切れたのではないかと言いたいところ。ですがスコットランド人の私が言っても「負け惜しみ」としか思われないでしょう。悔しい話です。
グループリーグはアメリカ、アルジェリア、スロベニアと同組。これは確かに楽勝を予想させる顔ぶれ。しかし、サッカーは何が起こるかわからない。浮かれてばかりはいられませんし、その点は名将ファビオ・カペッロがチームのムードを引き締めていくはずです。
ところで、ドローも試合も、さらに臨場感あふれる映像で見ることができるのをご存じですか? 南アW杯にソニーの次世代型テクノロジー「3D」がいよいよ登場します。この大会の最大25試合を「3D」によるブロードキャスティングが決定していますが、「3D」の映像は本当にスタジアムで観ているかのようです。遠いアフリカで行なわれている試合が、本当に目の前で行なわれているかのような臨場感が味わえます。試合はもちろんですが、私は3Dのデビューも本当に待ち遠しいです。
]]>ロンドンの「シャーロック・ホームズ・ホテル」で、私は憧れの人と会いました。

65歳になるカルロス・アルベルトは大学に通っているふたりの孫に会うためにイギリスを訪れ、明日には孫たちが待つリーズに旅立つとのことでした。飛行機による長旅のせいで、ヒザが腫れてしまったとのことでしたが、カルロス・アルベルトはしごく元気で、しかも大変紳士的でした。
「朝食を食べ損ねて、少し腹が減ったな」と言いながら、彼は部屋に備え付けのスナック類のなかからショートブレッド(英国の代表的なビスケット)を選んで食べ、「君もどうかね?」と私にも勧めてくれました。
ワールドカップのレジェンドからこんな優しい言葉をかけてもらえて、本当に感激しました。
メキシコ・ワールドカップの前、ブラジル代表チームは3か月もの長い期間のトレーニングキャンプを行なった、とカルロス・アルベルトは話してくれました。
そのキャンプの最大の目的は高地であるメキシコの環境に慣れることだったというわけです。
この日、カピタン(ポルトガル語のキャプテン。カルロス・アルベルトの愛称)が聞かせてくれたなかで、最も面白かったのは彼のクラブ、サントスが戦争を止めた話です。
それはアフリカでの親善マッチで、カピタン、ペレを擁するサントスはザイール(現在のコンゴ民主共和国)に行くことになりました。
当時、すでにこの国は内戦中でしたが、政府が絶対に安全を保障するというので、渋々行ったのだとカピタンは語りました。
「空港に着いて、まず驚かされたよ。群衆がきちんと並んで、私たちに手を振っているんだ。内戦中じゃなかったのか? と聞いたら、私たちの試合の日の朝から一時停戦が決まったのだそうだ。試合の間も何も問題なく、素晴らしい雰囲気のなかでプレーした。残念なことにサントスが帰途に就いた途端に、また内戦が始まったんだがね」
この時代のサントスを観るためだったら、誰もが喜んで銃を投げ出したことでしょう!
]]>息子は5歳6か月。ますますフットボールにのめり込んでいます。ルーカスが最近通っているサッカー教室は屋外でのプレーが多く、これまで使っていた練習用シューズは雨の日だと滑ってしまって、いいプレーができない! と生意気を言いますので、いよいよフットボールブーツを買ってやることにしました。
ふたりでスポーツショップへ出掛けてきました。ルーカスが「ナイキが欲しい」と言います。セルティックのユニホームがナイキなので、揃えたいというのがその理由です。しかし、ルーカスの足のサイズに合うシューズの在庫はアディダスしかなく、私たちはそのなかからNOVAを選びました。シューズ自体はとても素晴らしいのですが、買った後で、これがフランク・ランパードの愛用モデルだと聞き、私はガッカリしました。我々ウエストハムファンにとって、ランパードは不倶戴天の敵なのです。元々はウエストハムのアイドルでしたから、まさに「可愛さあまって憎さ百倍」というやつです。今さら言っても遅いのですが、店員がひと言「ランパードのシューズだ」と言ってくれれば、絶対に買わなかったと思います。
父親の落胆をよそに、ルーカスは大満足のようです。サッカー教室に行く前に、外で試してみたいというので公園に行くことにしました。どのボールを持っていくのかと尋ねると、「レアル・マドリー!」と即答が返ってきました。なぜ、レアル? 「だってアディダスのチームだもん」と、わかったような、わからないような言い分。さっきまでセルティックだからナイキと言っていたくせに。息子が意外と変わり身の早いヤツだということが、この日最大の発見でした。ちなみにルーカスは25個以上のボールを持っています。すべて、私が取材の折にお土産として買ってきたものです。

息子がついに“本物”のフットボールブーツを履くようになったというのは、父親としては大きな喜びです(それがランパードモデルだとしても!)。しかし、一方でケガの心配をしてしまいます。スタッドはひとつ間違えると、大きなケガの元ですから。私がプロ選手の夢を断念したのも、スタッドのせいでケガを負ったからでした。息子には同じことが起こらないように祈るばかりです。
]]>その原因を完全に明らかにすることはできませんが、要因と考えられる事象について考えてみたいと思います。
ディフェンスの標準が昔とは変わっていることをひとつの要因と指摘する声があります。現代ではディフェンダーは守備だけに専念するわけにはいきません。攻撃参加は当たり前、むしろ攻撃のほうがメインの仕事になっているDFさえいます。昔ながらの守備専門のDFに近いタイプはジョン・テリーやネマニャ・ヴィディッチぐらいのもの。言いかえれば、ガチガチに守るDFがいないことで、ゴールが増えている、というわけです。
軽量化されたボールの影響という声も聞こえます。よく飛ぶボールはGKを手こずらせているようです。
さらに、今季のプレミアリーグは引き分けが少ないという特徴があります。各チームとも、1ポイントではなく3ポイントを狙っており、この「オール・オア・ナッシング」な戦いぶりがゴール増加に結びついているという意見もあります。
最後は私の見解ですが、今季のプレミアリーグは例年以上に上位チームと下位チームの力の差が大きく、上位チームが下位チームからごっそりと得点を稼いでいます。それがリーグ全体のゴール増加に寄与しているのでしょう。
しかし、やはりフットボールの華はゴールです。どんな理由があれ、ゴールが増えるのは観る側にとっては良いことだと思います。
]]>鹿島アントラーズ対ジェフ・ユナイテッド千葉、そして翌日は川崎フロンターレ対サンフレッチェ広島を観戦しました。2年ぶりのJリーグはエキサイティングでしたし、2年前の印象と比べても水準が上がっていると感じました。鹿島、川崎とリーグ優勝争いをしているチームの試合だったこともあるかもしれませんが、レベルの高い、面白い試合だったと思います。
特に川崎のスタジアムの雰囲気は最高でした。大きなスタジアムではありませんが、その分臨場感があります。観衆は2試合とも、ほぼ1万8000人でしたが、カシマスタジアムは器が大きい分、空席が目立ったように感じました。
川崎はスタジアムの外も素晴らしいと思いました。子どもをターゲットにしたイベントや出展が並んでいます。こうした光景はヨーロッパでも相当のビッグマッチでしか見ることはできません。なんといっても子どもたちはクラブの未来を支えてくれるのですから、彼らと一体となったフロンターレは素晴らしいと思います。この日の7ゴールは、クラブのこうした努力とサポーターの支えが見事に結びついた結果でもあると思います。
もうひとつ、感動したのは選手とファンの間に“リスペクト(尊敬、敬意)”があることです。遠くから来て、7失点での敗北という辛い結果を目の当たりにしたというのに、サンフレッチェのサポーターは選手たちに温かい拍手を送っていました。苦境にあるチームや選手を支える、これこそが文字通りのサポーターだと思います。
ピッチでは中村俊輔の“クローン”かと思うようなプレーをする選手に驚かされました。それはつまり、プレーのレベルが高いという意味です。特に印象に残ったのはフロンターレの中村憲剛とサンフレッチェの柏木陽介でした。
驚いたといえば、Jリーグの取材には大勢の女性ジャーナリストがいることには驚かされました。英国ではむさくるしい男ばかりなので、日本がちょっとだけうらやましくなりました。
試合後、私は六本木のバーでリバプール対マンチェスター・ユナイテッドをテレビ観戦しました。フロンターレとサンフレッチェのサポーターはお互いのチームに対してもリスペクトを見せていて、素晴らしいと思いましたが、リバプールとマンチェスター・Uのサポーターにはまったくその気配はありませんでした。やれやれ。まあ、それがライバル関係というものですがね。
]]>すでに数年前からロンドンでのプレシーズンゲームは恒例になっていますが、今回の盛り上がりは特別でした。シカゴ・ブルズとユタ・ジャズの対戦でしたが、盛り上がりの要因はブルズ所属のルオル・デンです。
デンはアフリカのスーダン出身ですが、家族と共にイギリスに亡命、帰化した選手です。2012年のロンドン・オリンピックの予選で英国チームはデンのおかげでいいところまで行きました。ちなみに英国バスケット代表チームがオリンピック出場を果たしたのは1948年が最後です。
会場はデンへの声援にあふれ、彼がいいプレーをするたびに観客は大興奮でした。こんな状態のロンドンでのプレシーズンマッチを見たのは初めてで、なんだかフットボールの試合のようです。NBAでおなじみの音楽に乗った楽しい応援と英国のフットボールの熱気が合体したアリーナの雰囲気は素晴らしいものでした。
客席にはジョー・コール、ダレン・ベント、アントン・ファーディナンド、ソル・キャンベル、ジャーメイン・デフォーなど何人かのプレミアリーグのスター選手が姿を見せていました。会場の大スクリーンに彼らが映し出されるのですが、デフォーが映った瞬間に大ブーイングが巻き起こったのは面白かったです。おそらくアーセナルファンが大勢訪れていたのでしょう。
この日の会場O2アリーナはロンドン・オリンピックでもバスケットボールの会場として使用されます。この日は18,600席が完売でした。
NBAのコミッショナー、デビッド・スターンはロンドンでのレギュラーシーズンの試合の開催とロンドンをベースとするNBAチームの可能性について前向きなコメントを発しています。しかし、彼がいの一番にそれを実現しようとしているのは中国だといわれていますし、記者会見の様子からしても、スターンがロンドンに関してそれほど熱心とは思えませんでした。
デンはまだケガから回復したばかりなので、ムリをせず、休み休みプレーしていましたが、観客は満足していたようです。私が個人的に最も笑えたシーンはジャズのダンサーが客席にTシャツを投げに来た時のことでした。丸めたTシャツを3つ持って現われたダンサーは、ふたつを床に置き、最初のひとつを投げた後、次を投げようと振り返りましたが、そこに置いたはずのTシャツがありません。「えっ? どうして?? どこにいったの???」と狼狽する美しいダンサーには気の毒でしたが、コートサイドに座っていたふたりの少女が目にも止まらぬ早業でくすねてしまったのです。あの席に座っているなら、お金持ちのはずなのですが。「金持ちほどセコい」というのは本当なのかもしれません。
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