セルティックはプレシーズンマッチでは人気のある対戦相手であり、今回のように多くのサポーターがスタジアムにやって来ます。
セルティックと対戦するのは、テストマッチとして自分たちの実力を測る意味もありますが、大勢のサポーターが来場するので入場料収入が期待できるという大きな利点があります。
セルティックは前夜にはクラウス・ルンデクバンの状態を確認するサウサンプトンと対戦し、2万人の観客を集めました。
過去にはライアン・ギグスのテストのためにマンチェスター・ユナイテッドと対戦した際には、テストマッチにも関わらず6万人も来場しています。
フルアム対セルティックの試合前にはフルアムの新加入選手ボビー・ザモラ、ジョン・パントシル、ゾルタン・ゲラが観客にお披露目されました。
ウエストハムから来たザモラはコンディションが良さそうで、きれいなゴールも決めました。
セルティックサポーターのお祭り騒ぎのおかけで、日中の早い時間からお祭りムードになれたのではないでしょうか。
妻と私はお昼頃にチェルシーのバーに行ったのですが、その時すでに多くのセルティックサポーターが歌っていました。
試合は3−1でフルアムの勝ち、セルティックは前夜にも試合をしていたので負けるのも当然でしょう。
中村俊輔は控えにいましたが、出場しませんでした。
しかし、水野晃樹を観れたのは良かったです。
妻と私を含むセルティックサポーターは勝利を祝うことはできませんでしたが、新しいシーズンの幕開けを祝いました。
待ち遠しくてたまらない、開幕まで、あともう少しです。
今年はEUROが開催されたにも関わらず、英国系チームはひとつも出場していなかったので例年よりも余計に欲求不満が募っていたように思います。
プレミアリーグの最終節やチャンピオンズ・リーグ決勝から、1か月半しか経っていないというのになんだか、遠い昔のことにように感じます。
スポーツイベントがないわけではありません。テニスのウィンブルドンやゴルフの全英オープンなど世界的イベントが開催されています。
でも、サッカーのように夢中にはなれない。
そう、要するにサッカーが恋しいんです。
他のことで気を紛らわすなんてできない。
一日千秋の思いでリーグの開幕を待っている、そんなサッカーファンがこの国には大勢います。
オフの間、昔の名勝負のビデオを見たり、マッチデイ・プログラムの整理をしたり。
そして、仲間とパブに出かけて、来季の予想やひいきチームの補強についてビールの泡を飛ばしながら語り合ったり……それも楽しいのですが、そんなことをした後は、ますますサッカーが見たくて見たくて……ますます欲求不満が募ってしまうのです。
プレシーズンマッチはしょせんプレシーズンマッチでしかないのですが、それでも、少しは欲求不満の捌け口になってくれると期待して、フルアム対セルチックに行くことにしました。
これで少しイライラが治まってくれるといいのですが。
2005-06シーズンのプレミアリーグではブラジル人選手はわずか3人しかいませんでした。
昨シーズンはプレミアリーグには525人の選手が登録されましたが、そのうちブラジル人はわずか14人で、プレミアリーグにおけるスコットランド人選手の数と同じにすぎませんでした。
これまでのブラジル人はスペインやイタリア、ポルトガルなど、ヨーロッパでもラテン系の国への移籍がほとんどでしたが、数年前からドイツ、ロシアなどへの移籍が増え、ようやく最近になってプレミアリーグの名声と高給が知れ渡り、彼らにとって魅力的な市場と認知されてきています。
先週、ジョーが1800万ポンドでCSKAモスクワからマンチェスター・シティに移籍しました。
チェルシーのルイス・フェリペ・スコラーリ監督は数人のブラジル人を彼のチームに加えるはずです。
ポルトガル代表のデコはご存知の通りブラジル人ですし、カカやロビーニョ獲得の噂もあります。
リバプールもパルメイラスのGKヂエゴ・カバリエリと契約しようとしているようです。
イングランドでは豊かさとピッチが劇的に変わっています。
かつてのぬかるんだピッチは姿を消し、リーグのプレーレベルもアップしたことで、ブラジル人選手にとってプレミアリーグは魅力的な移籍先になりました。
受け入れる側からしても、現在のブラジル人選手は魅力的です。
過去には気候や環境になじめず、去っていったケースもありましたが、現在ではプロ意識の高い選手たちが立派に責務をこなしています。
ロシア、トルコ、ウクライナなどのリーグに所属するブラジル人選手の数は彼らの適応力の高さを示しています。
厳しい気候や祖国と異なる文化や環境のなかでも力を発揮するたくましい存在です。
プレミアリーグは近いうちにブラジル人選手たちの品評会のようになると私は思います。
この夏、何人のブラジル人が英国上陸を果たすのか、楽しみに見守っていくつもりです。
しかしながら、その一方、シーズンチケットの価格が上昇しており、今シーズンは平均7.2%も上昇しています。
その結果、多くのシーズンチケット所有者が来季のシーズンチケットを買うのを止めています。
マンチェスター・ユナイテッドでさえも20%近くのシーズンホルダーが更新しないといわれるほどです。
近年のイングランドの経済は非常に悪化しているので、一般のファンにとってはチケットの価格が上がるのは非常な痛手です。
シーズンチケットの売り上げはクラブの人気のバロメーターであり、売り上げが落ちれば、それはスポンサーからの評価も落ちることになります。
ですから、クラブはシーズンチケットの売り上げについては公表したがらないのです。
ポーツマスやトッテナム、マンチェスター・ユナイテッド、ウェストハムはすでにシーズンチケットの値上げを発表し、その結果、多いところでは25%、実に4人にひとりが来季のシーズンチケットを更新しないといわれています。
驚くべきことに、チェルシーは価格を据え置いています。
しかし、もともとの設定が高すぎるといわれていますし、トップクラブでありながら、毎週チケットが完売しているわけでもありません。
ロンドンのクラブのシーズンチケットはプレミアリーグの他のクラブよりもさらに高額です。
たとえば、ウェストハムのチケット代はマンチェエスター・ユナイテッドよりも高いのです。
何人かのグループでシーズンチケットを分け合うか、交代で試合を観にいくようにするシステムの導入を検討する段階にきています。
クラブにとってはシーズンホルダーよりも、新規のファンが増加するほうがいいという向きもあります。
毎週来るシーズンホルダーよりも、その都度新しいファンが来たほうがグッズの売り上げも良くなるからです。
プレミアリーグの主要クラブはスタジアムの拡張をしていますが、増設された席はシーズンチケット分に当てずに、一般売りに回すクラブも増えています。
昨季チャールトンがプレミアリーグから降格した際、シーズンチケットを更新した人には、プレミアリーグへ昇格したシーズンは無料にすると提案しました。
これはとてもいいアイデアでしたが、残念ながらチャールトンは昇格できませんでした。
試合に駆けつけるファンのなかでもシーズンホルダーは特別な存在です。
本当の意味でクラブを支えているのは彼らです。
その彼らに値上げという犠牲を強いるだけでなく、「グッズの売り上げが上がらない」などと迷惑でさえあるかのようにいうクラブの経営者たちはいつか、痛いしっぺ返しを食らうことになると思います。
イングランドには多くの黒人選手がプレーしていますから、彼らが引退後に監督になるのは驚くことではありません。
ですが、実際にはそのチャンスを得た者はほとんどいなかったわけです。
インスはまず最初に下部リーグのマクルスフィールド・タウンで監督のキャリアを始め、それからMKドンズで見習い監督もしてきたようにプレミアリーグの監督になるために厳しいルートを辿ってきました。
選手としての名声を得ていた彼でさえ、そうした苦労を重ねる必要があったのは驚きです。
さらにブラックバーン監督としてのインスを待ち受けるのはかなり困難な仕事です。
ブラックバーンをリーグの中位に押し上げたマーク・ヒューズの後を継ぐというだけでもかなりのプレッシャーを受けることになりますし、デイビット・ベントリーやロケ・サンタクルスといったチームの中心選手がビッククラブへ移籍する可能性が高いからです。
ウェストハムで、私とインスはチームメイトでした。
その当時の彼は監督向きの性格とは思えませんでしたが、マンチェスター・ユナイテッドやインテル、リバプールなどのビッククラブ(もちろん、ウェストハムもビッククラブですよ)を渡り歩いて、さまざまな経験を積んだことが彼を成長させたのでしょう。
インスはマンチェスター・ユナイテッドの1994年の3冠メンバーのひとりです。
この時のメンバーからは、マークヒューズ(マンチェスター・シティ)、スティーブ・ブルース(ウィガン)、ロイ・キーン(サンダーランド)とすでに3人がプレミアリーグの監督になっており、インスは彼らに次ぐ4人目になるのです。
インスはプレミアリーグで最初のイギリス出身の黒人監督として、すでに伝説になることは確定済みです。
その後に続く後輩たちのためにも、そして彼自身のためにも、彼は成功を収めねばなりません。
大きなプレッシャーがかかりますが、首尾よく成功すれば、それは彼の選手としてのキャリアよりもはるかに価値の高いものになるでしょう。
新監督スコラーリがいったい誰を補強するのか、メディアはチェルシーに来る可能性がある選手たちについて過熱状態になりました。
デコやカカ、リカルド・カレスマ、ロビーニョなど、スコラーリとコネクションのあるブラジルやポルトガルのスター選手が来る可能性がありそうです。
チェルシーの今季最大のターゲットはカカだと言われています。
スコラーリは18歳のカカをブラジルA代表に抜擢した監督で、カカとの関係は良好以上。
カカは「ミラノを離れる気はない」とコメントしていますが、ミランのチーム状態に不満を抱いているとも言われています。
今後の動きに要注目です。
スコラーリの就任はクリスチアーノ・ロナウドがレアル・マドリーへ移籍するという噂をますます加速させました。
EURO2008期間中、スコラーリはロナウドにレアル・マドリーへ移籍するよう説得していると言われています。
イギリスではロナウドがすでに数か月前にレアル・マドリーとサインしたというレポートも出ています。
確かに昨シーズンのロナウドはプレミアリーグでも桁違いでした。
アレックス・ファーガソン監督とマンチェスター・ユナイテッドは「ロナウドを売るつもりはない」と主張し、レアル・マドリーがメディアを通じてロナウドに移籍を呼びかけているのは違法だとして、FIFAに報告書を提出するなど、対抗措置を取ってもいます。
しかし、ロナウドを移籍させることで巨額の移籍金と数名の選手が手にできるならば、ファーガソン監督はロナウドを売るだろうとみられています。
それというのも、デイビッド・ベッカムの時にも言われたように、ファーガソンはひとりの選手が傑出した存在になるのを嫌う監督です。
彼が寵愛しているのがポール・スコールズやガリー・ネビルのような選手であることからも、ファーギー(ファーガソンの愛称)の考え方がわかるというものです。
監督の目には、最近のロナウドが好ましくない選手と映っているという噂も出ています。
EURO終了後のロナウドの動向には要注目です。
プラティニは、「EURO2008はイングランドが出場しないので良い大会になるだろう」と言っていました。
それは、彼がフーリガンだと決めつけているイングランドサポーターが大会に来ないことを意味しています。
もちろん、イングランドサポーターがトラブルを引き起こしているのは事実ですが、全体から見ればわずかな数でしかなく、それでイングランドのファンのすべてをフリーガンというのは不公平というものでしょう。
イングランドサポーターは試合に独特の“雰囲気”を持ち込みます。
彼らの応援歌、チャント、手拍子、口笛、ブーイングは試合の雰囲気を盛り上げ、活性化します。
英国でサッカーの試合を見た外国人の多くが感心するのも、この独特の雰囲気なのです。
フーリガンではないイングランドサポーターの大多数が、この素晴らしい雰囲気づくりに貢献していると思うのです。
最近はイングランドのフーリガンをもしのぐといわれるポーランドのフーリガンやドイツのフーリガンが衝突する心配がありますが、彼らの起こした事件はそれほど大きく報道されてないように感じます。
同じことがイングランドがらみで起こると、大騒ぎになるというのに。
イングランドはテレビ放送による広告料でUEFAに莫大な収益をもたらしているのに、イングランド代表の不在を喜ぶプラティニは偽善的と言っていいと思います。
UEFAが世界中で遂行する多くのプロジェクトに資金が必要ですが、その資金集めに最も貢献している国のひとつがイングランドなのですから。
そもそも組織のトップに立つ者が特定の国の不参加を喜ぶような言動は避けるべきだと思います。
でも、イングランドサポーターを最も怒らせ、不快にしているのはプラティニではありません。
前イングランド代表監督スティーブ・マクラーレンです。
今回の予選敗退チームを率いていたというのに、彼はのん気にEURO2008のラジオ放送の解説者を務めています。
「マクラーレンには責任感というものはないのか?!」という声も聞かれます。
でも、そんな彼だから、イングランドは予選を突破できなかったのだということも言えるでしょう。
トリニダード・トバゴは決して強豪国ではありません。
イングランドは各国から試合を申し込まれ、対戦相手については常に選べる立場ですから、シーズンオフとはいえ、中米に遠征してまで、トリニダード・トバゴと対戦する意味があるとはとても思えません。
はっきり言ってしまえば、これは代表チーム強化のためではありません。
トリニダード・トバゴサッカー協会の顧問を務めるジャック・ワーナー氏はFIFAの副会長であり、北中米カリブ海サッカー連盟の会長でもあります。
イングランド・サッカー協会(FA)にとって魅力的なのは、トリニダードの選手たちでも、カリブ海でのバカンスでもありません。
ワーナーFIFA副会長の役職だけがFAをひきつけ、そのおかげでイングランド代表は遠い地で親善試合をやる羽目になったのです。
北中米カリブ海サッカー連盟のボスであるワーナー氏は、その手にワールドカップ開催国の投票権を4票持っているのと同じです。
2018年のワールドカップ開催国に立候補しているイングランドは、ワーナー氏の4票を得られれば、ヨーロッパ全8票と合わせて12票。
イングランドは他の地域から残り1票だけ獲得すればいい計算になります。
トリニダード・トバゴサッカー連盟創設100周年記念試合だった、この親善試合では久しぶりにデイビッド・ベッカムがキャプテンマークをつけました。
イングランド国内ではベッカムを代表に入れるべきか否かについて、まだ論争は続いていますが、ワーナー氏にとってはベッカムの存在はとても重要だったようです。
ベッカムの影響力は今でも大きく、2018年ワールドカップ招致のための広報係としてますます大きくなるでしょう。
それがイングランド代表のファビオ・カペッロ監督にとっては喜ばしいことではないとしても。
2012年にはロンドン・オリンピックがやってきます。
しかし、イギリス国民の反応は嬉しいだけではありません。
なぜならオリンピックの予算が当初の予想を裏切り、だんだん高くなっているからです。
不足分を補うために税金が投入されるわけですが、これはイギリス国民にツケをまわすだけのことで、納税者からは早くも不満の声が出ています。
ただでさえ経済状態が良くないところに、スポーツイベントのためにさらに多くの税金を払わねばならないという事態は国民の望むところではありません。
開催する側は経済効果の大きさを主張しますが、納税者が全員、その恩恵に浴するわけではないのですから。
2018年ワールドカップのホスト国が決定するのは2011年。
その時、イギリスの一般の人々がどんな反応を見せるのか、興味深いところです。
ロマン・アブラモビッチ氏はチェルシーのオーナーとして最もよく知られている存在ですが、ロシアには他にも多くのリッチマンがいるようです。
ロシアの富豪たちがスポーツやサッカーにお金をつぎ込む理由はウラジーミル・プーチン前大統領がそうするように圧力をかけていたからです。
もし彼らがロシアのスポーツに投資しなかったら、彼らは資産を取り上げられていたでしょう。
アブラモビッチ氏はロシア国内のユースサッカーに年間5500万ドルも投資していました。
ソ連時代、スポーツは他の国に対してソ連の強さを示すために使われていました。
今ではプーチンが強大なロシアを見せつけるために、再びスポーツを利用しています。
ロシア・プレミアリーグに所属する選手たちの給料は非常に高額で、多くの選手は海外に出るよりも自国に留まろうとします。
他国では、選手たちは高い給料を得るために海外でプレーすることを望むのですが、ロシアだけは例外です。
ゼニトのスター、アンドレイ・アルシャービンは現在バルセロナ移籍の噂がありますが、スペインのクラブに入ると給料が減ると言われてています。
サッカーには多くの大会がありますが、ロシアがホスト国になったのは今年のチャンピオンズ・リーグの決勝戦が初でした。
ロシアはユーロ2016や2018年のワールドカップにも立候補しようとしています。
2014年の冬季オリンピックはロシアのソチで開催されるのが決まっています。
次の2回のワールドカップは南アフリカとブラジルです。
これらは比較的経済的に貧しい国なので、FIFAは大金を得られそうな国を探しています。
そのため2018年の大会は商業が発展しているイングランドとロシアのどちらかになると目されています。
最近の4年間では、ロシアはUEFAランキングで15位から6位に上がっており、5位のオランダを追い越す寸前でもあります。
加えて、来シーズンはロシアは3チームがチャンピオンズリーグに参戦します。
近いうちにロシアはチャンピオンズ・リーグの決勝戦の地だけではなく、決勝に進出するチームの国になるかもしれません。
チャンピオンシップ(プレミアリーグの下、2部に相当するリーグ)の首位ウェストブロムウィッチ・アルビオン(以下WBA)と2位ストーク・シティはすでに自動昇格を決めています。
彼らにとって気が重いのは、今シーズン、リーグの最下位に定着していたダービー・カウンティの姿と自分たちが重なって見えることでしょう。
結局降格が決まったのはダービー、バーミンガム・シティ、レディング。
レディングは2シーズン、ダービーとバーミンガムはわずか1シーズンで2部へ逆戻りとなりました。
ダービー、バーミンガムと同じ、昨季の昇格チーム、サンダーランドはプレミア残留を果たしましたが、それは巨額の投資とロイ・キーンの堅実なマネジメントのおかげです。
WBAはプレミアリーグで戦った経験があるので、ある程度の準備はできているでしょう。
しかし、それ以外のチームは昇格を喜んでばかりもいられない、大変な時期に直面していると言えます。
チャンピオンシップとプレミアリーグのレベル差はここ数年劇的に広がっています。
たとえば、プレミアリーグのチームがチャンピオンシップの選手を獲得することは最近はすっかり稀になってしまいました。
若くて経験の浅いチャンピオンシップの選手よりも、フランスやスペインなど、国外から経験豊富な選手を獲得するのが普通です。
かつてウェストハムやニューカッスルの監督を務めたグレン・ローダー(現ノリッジ・シティ監督)が2006-07シーズンに、こんなことを言っています。
「現在のチャンピオンシップの選手で、プレミアでも通用できるのはジャイルズ・バーンズ(ダービー)とガレス・ベイル(当時サウサンプトン、現トッテナム)のふたりしかいない」。
残念ながら、プレミアのスカウトたちの見解もおおよそ似たようなものです。
ハル・シティで最も良い選手のひとりにフレイザー・キャンベルという選手がいますが、マンチェスター・ユナイテッドからのレンタル移籍です。
最近のチャンピオンシップは、プレミアクラブの若手が経験を積むための場というほうが正しいのかもしれません。
来季、昇格する3チームは果たして、この世界で最もタフなリーグで生き残っていけるのでしょうか。
このサバイバルゲームもプレミアリーグの大きな見どころのひとつとして注目していきたいものです。
ドラソーはパリ・サンジェルマンやミラン、フランス代表でプレー。
2006年のドイツ・ワールドカップでプレーした最初の南アジア人でした。
彼はノルマンディー近くのアルフレール生まれですが、両親はインド系モーリシャス人です。
この映画は『Substitute(控え選手)』というタイトルで、ドラソー自身が自分の8mmカメラを使って撮影したものです。
練習時間や代表チームのホテルでの生活などとてもプライベートな部分が収められており、非常に臨場感にあふれたものでした。
ワールドカップ決勝でイタリアに敗れた後のフランスのドレッシングルームの非常に寂しいシーンも収められています。
ドラソーはワールドカップではわずかな出場時間しか得られなかったことに非常に落胆しており、彼の話は大会期間中のベンチに追いやられていた時のことがほとんどでした。
他の多くの選手と同様、ドラソーもレイモン・ドメネク監督との関係が良くなく、彼は「ドメネクに裏切られた」とさえ言いました。
ドラソーは「自分はフランス国民が見たいと思うタイプのルックスではなかったから、ワールドカップのスタメンに選ばれなかった」と話しました。
当時フランスでは、彼のようなインド系よりも、ジネディーヌ・ジダンのような北アフリカ系、あるいはパトリック・ヴィエラのようなアフリカ系の外見に興味が持たれていた、というのです。
「サッカーはとても大きなビジネスで私には合わない」と彼は言いました。
まだ34歳と若いドラソーですが、昨年末にサッカー界から身を引きました。
かつて彼が10番をつけてプレーしたパリSGをいまでもに深く愛しているものの、「スタジアムでは警官に殴られるので、もう何年も行っていない」と寂しそうに語っていました。
才能あるファンタジスタだったドラソーは、結局人種偏見の犠牲者なのでしょうか。
マイノリティの彼が生きていくには、欧州サッカー界は厳しすぎたのでしょうか。
その答を知りたい人はぜひ、映画『Substitute』を見てください。
ところが、事実はそうではありません。
イングランドからモスクワへの旅は実はとても難しいのです。
ホテルは値上がりし、ノボテル(低料金で有名な大衆ホテルチェーン)でさえ1泊1200ポンド(約24万円)にもなります。
飛行機は今は最も安いので900ポンド(約18万円)です。
ポーランドやオーストリア経由であれば、もっと安価で行けるのですが、モスクワにたどり着くのに13~22時間もかかってしまいます。
さらに、ロシアに入るにはビザが必要で、発行までの時間と65ポンド程度の手数料もかかってしまいます。
しかし、これについては決勝のチケットを持っていればビザなしで入国できるという気の利いたアイデアがUEFAとロシア政府の間で取り決められました。
現在モスクワはロンドンよりも物価が高いので、何もかもが高価な旅行になってしまいます。
1999年のバルセロナで行なわれたヨーロッパチャンピオンズ・リーグ決勝に行ったマンチェスター・ユナイテッドのファンでも、
今回はチケットを手に入れながらも旅費が高すぎて行けないという人がいるのです。
こうした状況は事前に予想可能だったにも関わらず、なぜUEFAはモスクワを選んだのでしょうか?
ロシア、特にモスクワはUEFAにとって商業開拓地であるので、今回の決勝はいわば見本市なのです。
2012年に行なわれる次回のEURO(欧州選手権)はポーランドとウクライナで開催されますが、それも同じ理由です。
来年のチャンピオンズ・リーグ決勝はイタリアのローマで行なわれますが、ローマでは近年、ファンによっていろいろな問題が起こっているので、モスクワとは別の意味で開催に疑問符が付きます。しかし、開催地を決定する時に、ファンの事は考慮されないようです。
チャンピオンズ・リーグ、EURO、その他もろもろのサッカーのビッグイベントは「誰のためのイベントなのか?」、もう一度問い直すべきではないでしょうか。
マンチェスター・ユナイテッドは負けなければ優勝がほぼ決定し、チェルシーは逆転優勝のために負けられない試合です。
滅多に晴れないロンドンがこの日は快晴で、スペシャルマッチのためのお膳立てはすべてが整っていました。
私がプレスルームへ着いた時、現イングランド代表監督のファビオ・カペッロや、前イタリア代表監督マルチェロ・リッピ、元イングランド代表監督グラハム・テイラーといった面々がいるのにびっくりしてしまいました。
いつもならば、番記者が数名いるだけですが、この試合はプレミアリーグで最も重要な試合だったので、みんな来ているわけです。
チェルシーファンはクリスチアーノ・ロナウドがピッチに足を踏み入れた瞬間からブーイングをはじめました。
最も優れた選手が相手ファンによってなじられるのはイングランドの特徴でしょう。
クリスチアーノにとっては気分の悪い“歓迎”でしょう、ですが、これがプレミアリーグ独特の雰囲気を作り上げているのです。
マンチェスター・ユナイテッドファンは大声を張り上げてました。
ホームのオールド・トラフォードでの彼らは静かな印象がありますが、アウェーに遠征してくるファンは非常に熱狂的で、ホームとは信じられないぐらい違います。
この試合で最も輝いていたのはチェルシーのミヒャエル・バラックでした。
2得点をあげて、素晴らしい選手であることをアピールしました。
彼のゲームメイク、試合をコントロールするさまは見ごたえがありました。
とりわけ、チームメイトのディディエ・ドログバのあしらい方は最高でした。
ドログバは試合中ずっと敵味方関係なく、文句を言い続けていました。
FKを得た時、バラックとドログバはどらちがキッカーを務めるか、もめていました。
ボールがラインを割り、バラックはベンチのそばに置いてあった水を飲みました。
ドログバはバラックに近づき、「バラック、バラック、バラック」と呼び続けました。
しかし、バラックは彼をさらりと無視してピッチに戻って行きました。
ドログバはバラックに対して何もできないのだとわかった瞬間でした。
ファンはバラックを支持しており、ドログバは来シーズン、チェルシーを去ると言われています。
皆さん知ってのとおり、この試合はチェルシーがマンチェスター・ユナイテッドを2−1で倒しました。
この試合にはさまざまなアクションや口論、エンターテイメントがぎっしり詰まっており、真のプレミアリーグスタイルと呼べる試合だったと言えるでしょう。
ウェストハムのプレミアリーグ生活は10年ほどすぎていますが、我がハマーズ(ウェストハムの愛称)はUEFA杯やチャンピオンズ・リーグへの出場権を得たことはありませんし、あともう一歩というところすらも行けずにいました。
興奮したという意味では昨シーズンは素晴らしいものでした。
というのも、最終節にマンチェスター・ユナイテッドを倒してプレミアリーグ残留を決めたからです。
06-07シーズンの終盤は毎試合が重要で、ある意味、すべての試合がカップ戦の決勝戦のようなものでした。
あまり自慢できる話ではありませんが、それでも我々が毎試合、スリルと興奮を感じていたのは確かですし、チームもサポーターもプレミア残留という目標に向けて、ひとつになって戦ったのです。
残留争いをしていながら、我々は王者マンチェスター・Uにダブル(ホーム、アウェーどちらでも勝つこと)を喰らわせました。
ところが今季はリーグ10位前後にほぼ“停滞”。
降格の危機もないが、タイトルの望みもないという宙ぶらりん状態。
目的のない戦いは自然と活気のない、つまらないゲームに陥りがちで、退屈な試合内容にはサポーターもうんざり。
昨季の今頃はスリルの連続だった、と降格争いを懐かしむ声さえ少なくありません。
先週の土曜日、ダービー・カウンティに2-1で勝利したのですが、プレミアリーグ史上最弱と言われるダービー相手に辛勝でしたので、試合後には観客から大ブーイングが起こりました。
アラン・カービシュリー監督はケガ人たちを非難しています。
確かにケガ人にも責任はあるでしょう。
キーロン・ダイヤーやクレイグ・ベラミ、フレデリク・リュングベリといった面々たちは能力も高い反面、過去にも大きなケガをし、その影響がいまだに完全に消えていない選手たちです。
そしてそんな彼らに莫大な給料をチームは払っています。
マンチェスター・Uやアーセナルといったクラブからはもうお声がかからない彼らからすれば、ウェストハムは多額の給料をくれるいい場所なのです。
ジェームズ・トムキンスとフレディ・シアーズというユースから昇格した2選手は、高給取りや峠を越えた選手よりも将来性が豊かです。
もともと、育成の伝統で知られたウェストハムですから、トムキンスやシアーズのような若手を育てていくのが本来あるべき姿だと思います。
フランク・ランパード、ジョン・テリー、リオ・ファーディナンド、マイケル・キャリックといった現在のイングランド代表の主力選手たちはウェストハムのアカデミー出身です。
こうした選手たちを育てていながら、他クラブでお役御免になった選手たちに頼らざるをえないとは、あまりにも情けない話です。
カービシュリーが来シーズンも指揮するかどうかが興味深いです。
ハマーズ・サポーターは、カービシュリーが「チャールトン(ウェストハム監督以前に率いていたチーム。現在2部)の精神をウェストハムに持ってきた」と言っています。
それはプレミアリーグに残留することが楽しみで、リーグの上位を狙おうとしないという意味なのです。
彼はSOCCER EXの主催者から生涯功労賞を受賞し、1978年にとても人気があったアーセナルを倒してFAカップを優勝した時のイプスウィッチの写真を贈られました。
彼にとって最初の監督としての偉業に当たる時の写真なので、その写真を見た時の彼の顔は喜びで溢れていました。
サー・ボビーは外国人選手を入れなかった両チームについて話し始めると、周りが止めるまで熱っぽく話し続けました。
彼はイングランドのフットボールクラブに多数の外国人選手が所属する現在のトレンドについて不満はないのですが、ただ違った考えを持ってました。
1957年のフランス戦でイングランド代表デビューを果たした時を振り返りました。
彼の出場給はわずか5ポンドで、その試合がテレビ放映されても、数ポンドもらえただけだったそうです。
彼はイングランド代表監督時代のプレッシャーについても話し、ある時は彼自身が最初の7選手を選び、彼の妻であるレディ・エルジーが残りの4選手を選んだというジョークも飛ばしました。
要所々に冗談を交えて、熱心に語る、サー・ボビーの姿は現代のフットボール界が失ってしまった、この競技に対するピュアな情熱に満ちています。
彼は今では故郷のダーラムに戻り、少年時代からサポートしているチームであるニューカッスルの試合に足を運びます。
「今でも私にとって、土曜日はフットボールの日なんだ」とサー・ボビーは言います。
なんて素晴らしい人生でしょう!
70歳をすぎた老人がフットボールと人生にいまだに熱狂しているのは偉大な事です。
今回は私たちにとってすべてが貴重なレッスンになりました。
サー・ボビーと彼が教えてくれた素晴らしい人生に拍手を送りたいと思います。