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2009年02月27日
ベッカム、ミランへ完全移籍なるか?
デイビッド・ベッカムがMLSのロサンゼルス・ギャラクシーへの移籍を決めた時、イングランドのほとんどの人々は彼のキャリアは事実上終わったと見なしました。
彼はマンチェスター・ユナイテッドとレアル・マドリーという、世界で最も巨大なフットボールクラブでプレーしました。その彼がアメリカでプレーすることは、フットボール後進国アメリカへの親善大使としてフットボール人気を盛り上げる以外の意味は持たないと思ったのです。
カリフォルニアでの生活は快適なようでしたが、アメリカでプレーすることは彼の代表選手としてのキャリアを縮めるだけでしかないことを本人も理解していました。そこでMLSのオフシーズン、ベッカムはミランにローン移籍し、まだスリーライオンズ(イングランド代表のエンブレム。チームの愛称でもある)の一員としてやれることを証明しようとしています。
その試みは成功しました。ミランでの献身的なプレーが高く評価され、ミランはギャラクシーに対して、ベッカムの完全移籍をオファーしています。
ベッカム自身にとってはミランでプレーすること以上に重要なのは2010年のワールドカップに出場することでしょう。おそらくこれが彼にとって最後のワールドカップになると思われます。クラブレベルでさまざまなタイトルを獲得してきたベッカムにとって、代表でのタイトルは喉から手が出るほど欲しいものに違いありません。
肝心のファビオ・カペッロ、イングランド代表監督はベッカムに「ミランでプレーすべき」と明言しています。カペッロだけでなく、英国の誰もが、
「代表チームに残りたいなら、アメリカを去るべきだ」と言っています。ベッカムも同じ気持ちです。
しかし、問題は、ベッカム獲得に莫大な投資を行なったギャラクシーが、安価でベッカムを手放す意志がないことです。しかし、ミランはギャラクシーの希望した移籍金を払う気がありません。2クラブ間の交渉はほとんど決裂しかけています。
まだ策はあるのでしょうか。残された道のひとつはベッカム自身が移籍金を支払うことです。彼はいまだに世界一収入の多いフットボールプレーヤーであり、ミランとギャラクシーの金額のギャップを埋めることなど簡単なはずです。
5月には34歳になるベッカムにとって、最も貴重なものはお金ではなく、現役選手としてプレーできる“時間”のはず。残り少ないこの時間を、彼があるべきハイレベルな場所で過ごしてほしいものです。
投稿者 steve : 11:22
2009年02月20日
プティの新たな取組みとCL予想
先週、私はプレミアリーグのメイン・スポンサーでもある、バークレイズ銀行の招待で、彼らが後援する、恵まれない子供のためのスポーツ支援機構、SPORTS SCHEME(スポーツ・スキーム)を取材しました。
実はこの取材を楽しみにしていたのには理由があります。1998年のフランス・ワールドカップ優勝メンバーで、アーセナル、チェルシー、バルセロナでもプレーした、元フランス代表MF、エマニュエル・プティに会えることになっていたからです。現在プティはこのプロジェクト推進のためにひと役買っているのです。

会見場所は西ロンドンにあるテレビスタジオでした。プティはとてもきさくな人物で、初対面の我々を、昔からの友人のように親しげに迎えてくれました。
現役時代のトレードマークだった、金髪のポニーテールはもうありませんでしたが、あの頃とあまり変わらない、若々しい印象を受けました。ただし、優しげな風貌ではありますが、主張すべきことはきちんと口にする、自分の信条を大切にしていることが伺える人です。政治や社会問題にも強い関心を持っている彼が、最初に話題にしたのはフランスで進行している大規模なストライキのことでした。
それから、プティは子供たちの未来のために、今の世界を変えなければならない、我々の手で良くしていかなければ、と言いました。SPORTS SCHEMEの活動も、その一環と彼は捉えているようです。
現在のプティはテレビのフットボール中継のコメンテーターを務めています。自叙伝を出したり、スポーツ新聞にコラムを書いたりと、忙しい日々を過ごしているようです。
話題がチャンピオンズ・リーグのことになると、プティはいっそう生き生きと語り始めました。現チャンピオン、マンチェスター・ユナイテッドを倒せるのはバルセロナしかいないと確信に満ちた表情で語りました。また、「チェルシーがジョゼ・モウリーニョをクビにしたのは大きな間違いだった」「アーセナルを元の姿に戻すにはかなりの努力が必要だろうね」とイングランドでの古巣である、2つのチームのことを憂えていました。
もうすぐ再開するチャンピオンズ・リーグはプティのいうとおり、バルセロナがマンチェスター・Uを倒すことになるのでしょうか? どんな結果になるのか楽しみです。
投稿者 steve : 12:08
2009年02月16日
アストン・ビラ復活に大きな期待
1980年代初期に、チャンピオンズ・カップ(現在のチャンピオンズ・リーグ)の2連覇を達成したアストン・ビラでしたが、それ以降はゆるやかに後退し続け、プレミアリーグでも中位以下に低迷するチームでしかありませんでした。
しかし、今シーズンは絶好調。ビッグ4の牙城を完全に崩しただけでなく、優勝争いにも加わろうという勢いです。
プレミアリーグでは2008年11月9日にミドルスブラに1−2で敗れて以来、負けていません。25試合を消化した時点で15勝をあげているビラですが、そのうち10勝をアウェーであげています。アウェーでの勝利数は文句なくリーグトップです。
先々週末のアウェーのブラックバーン戦には実に6000人のビラサポーターが集まりました。この数はマンチェスター・ユナイテッドのアウェーサポにも劣りません。古豪復活にバーミンガム市民も燃えている証拠でしょう。英国第2の都市、すなわちロンドンの次に大きな都市バーミンガムの最大のフットボールクラブがアストン・ビラです。この街とサポーターが本気になったら、どれほどの力になるか、想像しなくてもわかるでしょう。
ビッグ4支配に飽き飽きしていた、その他のチームのファンはビラの快進撃を歓迎しています。ビッグ4と違い、ビラは完全に英国系選手が中心です。特に将来のイングランド代表の主力と見なされる、ガブリエル・アグボンラホル、アシュリー・ヤング、ジェームズ・ミルナーといった活きのいい若手が活躍していることも、好感を持って受け入れられています。スペイン代表とのフレンドリーマッチにはビラからは6人の選手が召集されました。マンチェスター・Uやリバプールに代って、ビラがイングランド代表を支える母体になるのも、そう遠い日ではないのかもしれません。
ビラが現在の勢いそのままに優勝まで突っ走るのか。それともチェルシー、アーセナルが意地を見せて巻き返すのか。いずれにせよ、今季はいつもと違う優勝争いが見られそうで、とても楽しみです。ビラとビッグ4の直接対決は特に注目していきたいですね。
投稿者 steve : 13:13
2009年02月06日
ロンドンチームそれぞれの事情
先週土曜日、ウェストハムはエミレーツ・スタジアムでアーセナルとスコアレスドローを演じました。ウェストハムにとっては価値のあるドローでしたが、数年前なら「あのアーセナルがホームでドロー!」と大きなニュースになっていたでしょうに、今のアーセナルはホームで格下チーム相手のドローも珍しいことではなくなってしまいました。
現在プレミアリーグには5つのロンドンチームがいます。ファッショナブルでビッグなクラブといわれる、チェルシー、アーセナル、トッテナムがいずれも程度は違えど、苦戦を強いられているのに対し、時代遅れで、その3チームに比べて規模も小さいウェストハムとフルアムが予想外の健闘を見せているのは面白い現象だといえるでしょう。
先週の日曜日、チェルシーはリバプールに敗れ、リーグタイトルの可能性は非常に厳しいものになりました。アーセナルはとっくにタイトルレースから外れたうえ、アストン・ビラの猛追を止めることもできません。このままではチャンピオンズ・リーグ出場すら危うくなっています。
ジャン・フランコ・ゾラの下、ウェストハムは浮上しつつあります。降格の危険から、完全に遠ざかったと思うのはまだ早いかしれませんが、攻撃的で魅力的なフットボールにファンは元気を取り戻しています。
金融危機で大きな被害を被ったアイスランドの実業家がオーナーを務めるウェストハムの財政は非常に厳しい状況にあり、そのため、クレイグ・ベラミーをマンチェスター・シティに売らざるをえませんでしたが、その代りにイタリアから19歳のストライカー、サビオを獲得しました。
フルアムの今季ここまでの健闘は賞賛に値するものでしょう。老将ロイ・ホジソンのチーム再建は劇的とまではいえなくとも、確実に歩を進めています。
しかも、試合消化が他チームに比べて少ないというのに、順位ボードの1枚目に位置しています。スター選手もいない、補強予算も並以下のフルアムが彼らより規模の大きいクラブより、上の順位にいるのを見るのは痛快です。
しかし、多くのロンドンのフットボールファンにとって、最大の喜びはトッテナムの混迷でしょう。就任当初、浮上の兆しを見せたハリー・レドナップでしたが、結局、降格争いから抜け出すことはできず、スリリングな戦いを続けています。スパーズファン以外のロンドンチームのファンにとって、これほど愉快なことはないのです。
ベラミーがマンチェスター・シティに売られる直前に、トッテナムは横取りを試みました。しかし、ウェストハムは彼らに売ることを拒否しました。ウェストハムのチーフ・エグゼクティブ、スコット・デュクスベリーは、「素晴らしい選手ほど、トッテナムに売ることは絶対にしない」と語りました。同じロンドンのチームのライバル意識は熾烈です。とりわけ、トッテナムに対する敵意は他に比べて強いものがあると思います。
投稿者 steve : 18:20
2009年02月04日
カカの移籍が実現しなかった理由
もうすぐ終了する1月の移籍市場を、最も騒がせたのはやはりカカの動向でした。マンチェスター・シティからのオファーは1億ポンド(約146億円)といわれ、一時は所属先のミランのオーナー、シルビオ・ベルルスコーニも「このオファーを断るのは難しい」とカカの遺留を諦めたほどでした。
ご存じのように、この移籍は実現しませんでしたが、カカのマンチェスター・C移籍については、多くのサッカーファンの間でも賛否両論でした。
もちろん、カカがプレミアリーグに来たら、このリーグは真に世界最高のスターが集まるリーグとなったことでしょう。そこに足りないのは、もはやバルセロナのリオネル・メッシーだけといっても過言ではありません。
しかし、カカはミランに残ることを選びました。別の言い方をすれば、カカはお金だけがフットボールをプレーする理由ではない、ということを示したのです。
1億ポンドの価値を認められたフットボール選手は世界中で自分しかいないという状況で、それを拒否するのはかなり勇気のいることでしょう。しかし、カカは高い報酬よりも、自身の名誉を守ることを選びました。これこそが世界最高のフットボーラーにふさわしい行動ではないかと思うのです。
カカは現在でもまったく金銭的に困っていません。彼はアディダスとジョルジオ・アルマーニと巨額のスポンサー契約を結んでいますし、ミランから得る給料も高額です。敬虔なクリスチャンであるカカは、デイビッド・ベッカムほどの収入を得なくても満足しているのでしょう。
彼がマンチェスター・Cのオファーを退けた最大の理由といわれるのが、プレミアリーグでのシティの現在と今後の成績です。今季は降格争いの可能性もある状態。もちろん来季のチャンピオンズ・リーグ出場は万が一にもムリでしょう。この1月とシーズン終了後の夏には精力的に補強を行なうのでしょうが、それでもプレミアリーグのトップ4が確実かというと、それも疑わしい状態です。
1992-93年シーズンから始まったプレミアリーグですが、優勝を手にしたチームというと、マンチェスター・ユナイテッド、ブラックバーン、アーセナル、チェルシーの4チームしかないことを忘れてはいけません。チーム強化には膨大な予算が必要です。その意味ではロマン・アブラモビッチの莫大な資産によって短期間でプレミア制覇を成し遂げたチェルシーは「成功をカネで買った例」とも言えます。ですが、まだプレミアで優勝したことのないクラブのうち、天文学的な金額を費やしながら、タイトルを手にしていない例は、チェルシーのような成功例をはるかに上回っているのも事実です。おそらくカカはマンチェスター・シティが次のチェルシーになるとは思えなかったのでしょう。
投稿者 steve : 11:04
