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2008年12月26日

ウェストハムの勝利をサンタにお願い

私は先週、仕事のために日本を訪れました。
木曜日にはFIFAクラブワールドカップ、マンチェスター・ユナイテッド対ガンバ大阪を観戦しましたが、プレス席で観る試合はやはり、いまひとつ気分が盛り上がりません。

イギリスへ帰国するなり、ウェストハム対アストン・ビラを観るためにアプトンパークに駆けつけました。
ひとりのファンとして、愛するチームの応援をするのはいいものです。
この試合は単なるリーグ戦の1試合にすぎませんが、私はクラブワールドカップよりはるかにエキサイトしてしました。
エキサイトする、もうひとつの理由は、この試合が土曜日の午後5時半キックオフだったことにもあります。
奇妙に聞こえるかもしれませんが、試合開始が土曜日の夕方だと、日中の早い時間帯から飲む口実ができるので、試合が始まるずっと前からファンはビールを飲みつつ、試合の予想や選手起用について語り合い、大いに盛り上がるのです。
またこの日はクリスマス直前ということもあり、お祭り気分にいっそう拍車がかかります。

しかし、アプトンパークで、お祭り気分がいまひとつ盛り上がらないのは、ウェストハムが下位に低迷し、ここ10試合で1勝しかしていないためです。
この試合も強豪ビラによく食い下がりましたが、最後はジェームズ・ミルナーにゴールを決められ、0−1で敗れました。
現在17位。
降格圏内の18位にいるマンチェスター・シティとの勝点差はわずか1です。

ウェストハムはクラブの財政状況も悪く、1月の移籍市場再開も、獲得よりも放出する選手のほうが多くなりそうだといわれています。
降格を回避するためにも適格な補強が必要なのですが、状況は厳しくなる一方です。

もし、サンタクロースが、欲しいものをプレゼントしてくれるというのなら、「ウェストハムの勝利」をお願いしたいものです。

投稿者 steve : 11:18

2008年12月19日

カペッロが成し遂げた代表改革

2007年の11月、イングランド代表はウェンブリーでクロアチアに敗れて、ユーロ2008出場を逃しました。
それから1年後の2008年11月にイングランドはベルリンでドイツに2−1で勝利しました。
イングランドは、この1年で確かに変わりました。その要因は何なのでしょうか。

すべてはイタリア人監督、ファビオ・カペッロの改革によるものと言って良さそうです。
カペッロはスベン・ゴラン・エリクソンやスティーブ・マクラーレンといった彼の前任者たちに欠けていた「規律」をイングランドに叩き込みました。
選手たちが試合前に集中力を欠くことにつながりかねないとして、合宿中の携帯電話の使用やテレビゲームを禁止あるいは制限したカペッロは「WAGS」禁止令を出して、周囲を驚かせました。
「WAGS」とは代表選手たちの妻やガールフレンドたちのことです。
代表戦には必ず彼女たちが同行して、選手以上の話題をさらうこともしばしばでした。
カペッロのこの決断に対してはリオ・ファーディナンドも「賢明な判断」と賛辞を贈っています。

選手選考についても、カペッロは国民の人気投票的な選考を退け、好調な選手、特に伸び盛りの若手に注目しています。
デイビッド・ベッカムやマイケル・オーウェンに対しては「まず、所属クラブで結果を出せ」と要求しています。

よくよく考えてみれば、カペッロの改革は特別なことではなく、通常あたりまえとされていることばかりです。
彼が監督に就任する以前のイングランドがいかに規律に欠けていたかが、よくわかります。
どんなにタレントを揃えようと、規律に欠けるチームは勝利できないことを、カペッロは重々承知していたのでしょう。

就任当初から、カペッロのフットボールはつまらないと批判されてきましたが、現在5連勝。もう誰も彼を批判する者はいません。
「強いイングランド」が復活したことで、彼らはすでに南アフリカ・ワールドカップ出場権を得たかのように浮かれています。
おそらくカペッロはイングランドを南アに導くと思います。
しかし、イングランドの目標はワールドカップ出場ではありません。
目標は本大会で優勝、ノルマは最低でもベスト8進出でしょう。
そこまで強化が進んでいるかというと、現状ではまだまだです。
まず、なによりも大きな問題はGK。イングランドは絶対的な守護神が不在です。
ウェイン・ルーニーというエースはいますが、かつてのアラン・シアラーやガリー・リネカーのようなゴールマシンがいないことも不安要素のひとつです。
カペッロが、このふたつの問題解決のために、誰を起用するかも注目したいところです。

投稿者 steve : 13:21

2008年12月12日

前代表監督の英国復帰は近い?

スティーブ・マクラーレンはこの夏、イングランドを離れて、オランダのトゥベンテの監督になりました。
彼はイングランド代表監督としてユーロ2008予選で敗退したので、国内で笑い者にされていましたので外国へ逃げ出したくなるのもムリはなかったでしょう。

8月のチャンピオンズ・リーグ予備予選で、アーセナルとトゥベンテが対戦しましたが、この試合前のマクラーレンのインタビューはまたもイングランドで物笑いのタネにされました。
マクラーレンはもちろん英語でインタビューに応えているのですが、それがオランダ訛りの英語なので、我々英国人にはバカウケなのです。

しかし、現在トゥベンテはエールディビジで首位争いをしており、UEFAカップでもベスト32に進出しています。
このオランダでの成功によってマクラーレンは再評価されるでしょうし、近いうちに英国フットボール界に戻ってくるのではないのでしょうか。

2008年12月現在、プレミアリーグではすでに5チームが監督を解任しており、優秀な監督は引く手あまたです。
欧州で成功し、プレミアリーグの経験がある監督、今のマクラーレンはその両方を兼ね備えています。
プレミア復帰は十分可能です。

今シーズンの初め、ブラックバーン監督だったマーク・ヒューズがマンチェスター・シティへと去った時、その後任にマクラーレンの名前があげるとブラックバーンのファンは猛烈に反対しました。
しかし、今、同じ問いかけをしたら、彼らはマクラーレン監督誕生を容認するかもしれません。
期待されたポール・インスの下、ローバーズは降格圏内から抜け出せず、今やインスの解任も時間の問題と言われています。

私はマクラーレンがプレミアリーグにすぐに戻ってくるとは思いません。
しかし、遅くとも来年の夏にはいずれかのチームが監督候補として検討するでしょう。
トゥベンテで結果を残せばイングランド代表監督時代の失敗も忘れてくれるでしょう。

投稿者 steve : 17:01

2008年12月05日

選手育成の現状と今後

先週、チェルシーはオールド・トラフォードでマンチェスター・ユナイテッドを倒しました。
と言ってもこれはプレミアリーグではなくて、FAユースカップでのことです。
なかなかエキサイティングな試合でした。
この大会は各クラブのユースチームが参加するもので、FAカップと同じくプレミアリーグだけでなく、チャンピオンシップ(二部に相当)やディビジョン1(3部に相当)などの下部リーグのチームも参加します。
イングランドのユースの大会としては最も大規模で古い歴史を持っています。
FAユースカップで好成績を残すチームには、その後トップチームでも活躍できるようないいタレントがいるものですから、この大会は各クラブの育成の状況を見るのによいバロメーターになるのです。

この日の試合ではマンチェスター・Uの15歳ラベル・モリソンとチェルシーの17歳ガエル・カクタが特に目を引きました。
特にフランス国籍のアフリカ系選手カクタは運動能力が素晴らしく、この日もゴールを決めてチェルシーの勝利に貢献しました。
おなじユースチームといっても、両チームはかなり対照的です。
チェルシーはカクタも含めて、7人が他チームから引き抜かれてきた選手ですが、マンチェスター・Uは16人のうち9人がオールド・トラフォードから30マイル(約56km)以内で生まれた地元っ子。
トップチームでもユースから昇格した選手はジョン・テリーしかいないチェルシーに対して、マンチェスター・Uはライアン・ギグス、ポール・スコールズ、ガリー・ネビル、ダレン・フレッチャー、ジョニー・エバンス、ジョン・オシェイ、ウェズ・ブラウンと、多くの生え抜き選手がいます。
若手育成に長い伝統と実績を持つマンチェスター・Uはユースカップ優勝回数もイングランド最多で、50年代には「バスビー・ベイブズ」と呼ばれた伝説のヤングタレント集団が、FAユースカップをなんと5連覇しています。
今回は残念ながら3回戦で敗退となってしまいましたが、マンチェスター・Uが常に優勝候補のひとつに挙げられるのは、しっかりした育成のシステムとポリシーを持っているからにほかなりません。

その他優勝候補にあげられるのはアーセナル、最近2連覇を果たしたリバプール、昨年の優勝チーム、マンチェスター・シティといったところ。
プレミアリーグではありませんが、若手育成には定評のあるイプスウィッチ、サウサンプトン、ノッティンガム・フォレストなどもユースカップの強豪チームです。
かつて、現在マンチェスター・Uのウェイン・ルーニー擁するエバートン・ユースがFAユースカップ決勝まで進出しましたが、アストン・ビラのユースに敗れました。そのビラでガブリエル・アクボンラホルやアシュリー・ヤング、クレイグ・ガードナーといった若手が活躍しているのも納得というものです。
クラブの数年後に思いを馳せながら、ユースカップをチェックするのもなかなか面白いものですよ。

投稿者 steve : 17:33