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2008年11月21日

今季のチェルシーの2つの珍しいこと

チェルシーがプレミアリーグの首位にいるのはここ数年では珍しいことではありません。
しかし、得失点差で他チームを上回っているのはとても珍しいことではないでしょうか。

前監督ジョセ・モウリーニョの下でチェルシーは多くの勝利を重ねてきましたが、エンターテイメントとゴール数に欠け、批判するファンも少なくありませんでした。
「1−0」で勝つのがモウリーニョのスタイルでした。
勝点3を確実に重ねていく、しかしこのスタイルでは得失点差を稼げないことは皆さんもおわかりでしょう。

ここ数年、チェルシーがプレミアリーグのタイトルを逃してきた理由は、この得失点差にあると私は思います。
昨季も得失点差ではマンチェスター・ユナイテッドが圧倒的なアドバンテージを持っていました。
最終節に勝点が同じだったら、得失点差で上回る方が優勝なのですから、得失点差のアドバンテージは勝点1に匹敵することになるのです。

その差は両チームのスタイルも関係しているでしょう。
チェルシーは先制後さらにリードを広げようとせずに1−0の最小得点差での逃げきりを選ぶチーム。
一方、マンチェスター・ユナイテッドの戦い方は先制後も、2点、3点とさらに追加点を奪おうとします。
ひとつの試合の戦い方としてはリスキーなのはマンチェスター・Uの方でしょうが、タイトルレースという観点からすると得失点差でアドバンテージを持たないチェルシーの戦い方のほうがリスクが大きいということになるわけです。

しかしながら、ルイス・フェリペ・スコラーリ監督のチェルシーはゴールを量産しています。
今季はタイトルレースでのリスクの心配をしなくてすむかもしれません。

チェルシーにとって珍しいことがもうひとつ。
ロマン・アブラモビッチがオーナーになって初めて、経費削減が行なわれています。
ここ数週間でスカウティングスタッフを15人も解雇するなど、スリム化を図っています。
現在の世界的経済不況には、さしものアブラモビッチも悩まされているようです。

さらにタブロイド紙は、チェルシーの選手たちは現在クラブから支給されている食事代とトレーニング用ジムの使用代を止められ、自腹を切るしかなくなるだろうと面白おかしく伝えています。
これは冗談としても、1月の移籍市場再開に向けても、チェルシーは獲得するより、放出するほうに忙しくなるという見方もあります。
実際にはどうなるのか、1月の市場再開が今から、とても楽しみです。

投稿者 steve : 15:47

2008年11月14日

ハリーの熱意伝播術で弱小チームが激変

ご存じだとは思いますが、ロンドンのクラブのサポーターは一般的に仲は悪いものです。
アーセナルとトッテナム、チェルシーとフルアムといった北部ロンドン、西部ロンドンの代表チーム同士のライバル意識は当然特別ですが、ロンドンのクラブ同士はほとんどが対抗意識を持っています。
タイマンを張るということはなくても、敵の不幸は蜜の味という感じです。

私はウエストハムのファンですから、他のロンドンの多くのクラブのファン同様、今年のトッテナムの悲惨なスタートを楽しんでいました。

トッテナムは、ここ2、3シーズン莫大な資金で戦力補強し、プレミアリーグでトップ4を打ち破るとぶちあげてきました。
そのチームが、スペインの知将ファンデ・ラモスの下で、最下位に沈んでしまったので、トッテナム以外のロンドンクラブのファンにとってはいい酒の肴となっていました。
だって笑うしかないのですから。

トッテナムはついにラモスを解任し、ポーツマスからハリー・レドナップを引き抜いてきました。
これには我々、ウエストハムファンは愕然としてしまいました。
レドナップは元々ウエストハムの監督だったからです。

ハリーが監督に就任すると、トッテナムは5試合で4勝、アーセナルとは4−4で引き分けるという壮絶な試合をやってのけました。
カーリングカップ4回戦ではリバプールを破りました。
ラモス時代から、完全に生まれ変わったと見ていいでしょう。

ハリーは情熱に満ちた監督で、その熱意で人の心を動かします。
選手たちにやる気と自信を植え付ける名人なのです。
ハリーのコミュニケート能力が低迷するトッテナムを救ったのです。
結局スペイン人であるラモスは、イングランドのクラブの選手たちとうまくコミュニケートできなかったわけで、それが低迷の原因となってしまったのでしょう。

ポーツマスでもハリーはこの能力を発揮して、本来ポーツマスのようなクラブには入団しそうにない選手たちを引っ張ってきました。
ソル・キャンベル、ピーター・クラウチ、ジャーメイン・デフォー、ニコ・クラニツァールなどの選手たちです。
彼らはハリーのパーソナリティと、ハリーが描くポーツマスの未来図に魅かれて、入団を決意したのでした。

そして、トッテナムではダレン・ベントが劇的に変わっています。
ラモス前監督時代の消極的とも、迷いがあるともいわれたプレーは消え失せ、自由に伸び伸びとプレーし、よく走り、立て続けにゴールを決めています。
それがハリー効果です。
レドナップの熱意を人に伝える能力、熱意伝播術とでもいいましょうか、それがフットボールを変えるのです。
トッテナムがもし、本当にトップ4の牙城を崩したら、レドナップは今年の最優秀監督間違いなしでしょう!

投稿者 steve : 20:43

2008年11月06日

激動の時期を迎えたチャールトン

先週の土曜日、私の母に連れられて、4歳半になる息子のルーカスがチャールトン対バーンズリーを観戦しました。
ホームチームのチャールトンが0−3とリードされて前半を折り返したのですが、母によれば、2失点の時点でルーカスは「呆れたもんだ!」と叫んでいたそうです。

チャールトンは結局1−3で負けて、チャンピオンシップ(プレミアリーグのすぐ下のリーグ)で下から3番目の22位になってしまいました。
アラン・パーデュー監督の立場は非常に危うくなっています。
バーンズリー戦後、サポーターはパーデューの解任を求めるデモを起こしました。

チャールトンはプレミアリーグから降格後急速に凋落しましたが、これは多くのクラブに起こっているので珍しいことではありません。
プレミアリーグから降格したクラブは「パラシュート」と呼ばれる補助金を2年間給付されます。
チャールトンにとって今季は「パラシュート」を受け取れる最後のシーズンで、来季から彼らの予算はかなり少なくなります。

プレミアリーグから降格したクラブにとっての最大の問題は、チームの大黒柱や優秀な選手がクラブを去ってしまうことです。
チャールトンから今季トッテナムに移籍したダレン・ベントが良い例です。
ベントという得点源を失ったチャールトンは当然のように苦戦しています。
ベントの代役として、シーズン20得点できる選手を探すのは到底不可能なことです。

去っていった選手同様、その穴埋めをできる選手も、チャンピオンシップよりはプレミアでやりたいと思っています。
特に代表選手候補に挙がっていればなおさらです。
二部以下のチームの選手が代表チームに呼ばれるのはイングランド代表では、もはやありえないことになっています。
ベントの移籍も自分の代表キャリアを守るためという意味合いの強いものでした。

チャールトンはこの数週間、激動の時期を迎えています。
中東の投資会社による買収の対象になり、ファンはマンチェスター・シティのように、チャールトンにもスター選手がやってくるものと楽観視していましたが、結局買収は実現しませんでした。
短い夢の後に突きつけられた現実は「リーグ1(3部)への降格争い」という厳しいものでした。
しかし、そのリーグ1にもリーズやレスターといった、チャンピオンズ・リーグやUEFAカップにも出場した元プレミアチームがいます。
彼らを見るにつけ、“トップフライト(一番上のリーグに居続けること)”を保つのは非常に難しいのに、そこから脱落するのは簡単なことだと思い知らされます。
まさに「サバイバルゲーム」です。
果たしてチャールトンは生き残ることができるのでしょうか。

投稿者 steve : 15:26