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2008年10月30日
1位はローマのサポーターに決定!
先週、私はチャンピオンズ・リーグのマンチェスター・ユナイテッド対セルチック戦、チェルシー対ローマ戦を、日曜日にはプレミア・リーグのチェルシー対リバプールを観戦しました。
幸運にもイギリスで3つの大事な試合をカバーでき、5つのクラブのファンを見ることができたのです。
スコットランドのセルチックはいつも多くのファンがアウェーにも押しかけます。
オールド・トラフォードへの遠征はセルチックファンにとってスペシャルなものでした。
この日も6000人ものファンがいましたが、マンチェスター・ユナイテッドのファンとの関係は良くて、マンチェスター・ユナイテッド側の観客席にセルチックのユニフォームを着た人がいても、トラブルもなく、普通にしていました。
もし、リバプールやチェルシーのユニホームを着たファンがマンチェスター・ユナイテッド側の観客席にいたら、これほど寛大に迎えられることはないでしょう。
チェルシー対ローマでは、ローマのファンが試合中ずっと途切れることなく、大声を出していたのには驚かされました。
しかし、それが勝利の雄叫びでなかったことは残念です。
ホームのチェルシーファンは、試合には勝ちましたが、声援では完全に負けていたと思います。
ローマファンの熱い声援はそのぐらい素晴らしいものでした。
そして日曜日、リバプールがチェルシーのホーム、スタンフォードブリッジに乗り込んできました。
最近のリバプールのファンはたくさんのおかしなバナーを持ち込んできます。
というのもそれはスペイン語で書かれているので、セキュリティチェックで没収されなくて済むのです。
もちろん私にも書いてある言葉の意味は分からなかったのですが、私の隣に座ったジャーナリスト夫妻の奥さんがスペイン人で、「あれはハビエル・マスチェラーノがいかに男らしいかを褒め称えたものだ」と教えてくれました。
スペイン語なら、仮にフランク・ランパードの悪口が書いてあっても、セキュリティにはバレなくて済みますから、いいアイデアですね。
しかし、ランパードの妻はスペイン人なので、彼女が見ていれば、間違いなくランパードには内容が伝わってしまうことになりますが。
リバプールのファンは終始騒がしく、熱い応援を繰り広げていました。
そもそも午後1時半キックオフの試合のために、早起きして、何時間もかけてリバプールからロンドンへ来たのは、そのためです。
リバプールは見事チェルシーとの首位決戦を制し、リーグトップに立ちました。
コップたち(リバプールファンの愛称)も早起きした甲斐があったというものでしょう。
私は5チームのファンを見て、以下のようにランクづけました。
1位 ローマ
2位 リバプール
3位 セルチック
4位 マンチェスター・ユナイテッド
5位 チェルシー
かつてはフーリガンの見本のように言われていたチェルシーのサポーターは暴力的ではなくなり、問題を起こすこともなくなりましたが、少し大人しくなりすぎているのかもしれません。
2008年10月24日
再生に賭ける名将カペッロの信念
ファビオ・カペッロ率いるイングランド代表は2010年南アフリカ・ワールドカップ出場を懸けた予選で4連勝中です。
アンドラ、ベラルーシ、カザフスタンに勝利するのは当然のことですが、EURO2008予選で煮え湯を飲まされた相手、クロアチアに勝利できたことで、最初の関門は突破したように思えます。
前監督スティーブ・マクラーレンが解任されたのは、まさにクロアチアに敗れたことが原因でした。
ホーム、アウェーの2戦ともに完全に叩きのめされたのは、マクラーレンが何の方策も立てられなかったせいです。
イタリアの名将、カペッロは前任者のようなヘマはもちろんしません。
しかし、結果は出しているものの、内容が優れているとは口が裂けても言えない、今のイングランドに対するサポーターの不満を一番理解しているのは彼かもしれません。
というのも、カペッロ自身が自分のチームのパフォーマンスに納得してはいないからです。
メンバーも固定されてきたように見えて、いまだにベストな布陣を見いだせてはいません。
スティーブン・ジェラード(リバプール)とフランク・ランパード(チェルシー)の共存についてはまだ否定的な見方をする者が多く、前線についても、ウェイン・ルーニー(マンチェスター・ユナイテッド)のパートナー探しはまだ完全に終わってはいません。
カペッロはマクラーレンに続き、ジョン・テリー(チェルシー)をキャプテンに指名しましたが、これについても多くの識者が「リオ・ファーディナンド(マンチェスター・U)にすべきだ」と言っていました。
イングランド代表の周囲を雑音が飛び交うのは致し方ないことですが、カペッロ自身が満足できるチームならば外からの圧力などものともしないでしょう。
しかし、監督自身がチームに不満を持っているのですから、話がややこしくなるわけです。
カペッロはまず、選手たちの試合に臨む準備や態度から変えていこうとしています。
最近はWAGS(妻とガールフレンドの略)と呼ばれる、選手たちの夫人やガールフレンドが大挙して代表戦に姿を現わすことを「良くない風習だ」と非難しています。
これには一部の選手たちも同意しているようです。
代表チームは結果がすべてです。
ゆえに現在までの予選の結果には満足しているカペッロですが、重要なのは本大会で結果を出すこと。
そのためには本気でチームを強化していかなければなりません。
スベン・ゴラン・エリクソンが監督だった頃、イングランド代表はワールドカップとEUROの両方の予選を簡単に突破して期待が高まりましたが、どちらとも準々決勝で敗れました。
カペッロは当然、それ以上の結果を出すことが要求されるのですから。
勝利のために、監督は断固たる姿勢を見せていくことが必要です。
現在のチームで象徴的なのはエミール・ヘスキー(ウィガン)の存在でしょう。
へスキーは代表で2003年5月22日から得点していません。
ストライカーでありながら、長期間ゴールを決めていない選手を代表でプレーさせるのは勇気のいるものです。
うるさい外野はいまだにマイケル・オーウェン(ニューカッスル)を呼ぶべきだと主張しています。
それでもカペッロはヘスキーこそがルーニーのベストパートナーだという考えを貫き通しています。
この信念こそがイングランド再生に最も必要なものだといえるでしょう。
2008年10月16日
ロンドンでNBAを堪能
10月12日の日曜日、ロンドンではNBAのプレシーズンマッチが行なわれました。
チケット完売、1万8589人の観衆が集まり、ニュージャージー・ネッツがマイアミ・ヒートを94−92で下した面白い試合でなかなかパーフェクトな試合だったと言いたいところですが、満員の観衆の中にネッツやヒートのジャージは見当たらず、ほとんどがボストン・セルティックスやロサンゼルス・レイカーズ、せいぜいシカゴ・ブルズといったところでした。
ブルズにはルオル・デンとベン・ゴードンというイギリス代表選手がいることも関係しているのでしょう。
試合自体は期待していたより、ずっと面白かったのですが、ロンドンの観客は試合よりもマイアミ・ヒートのチアリーダーやタダでもらえるTシャツのほうにより関心が高かったように見えました。
“ウェーブ”は何度も起こりましたが、それは観客が退屈していることを意味しています。
客席に姿を見せたセレブも、今回は少なかったように思います。
有名ラッパー、ジェイZがいましたが、彼はネッツの共同オーナーのひとりなので、ゲストではありません。
ダレン・ベント(トッテナム)、ジブリル・シセとアントン・ファーディナンド(ともにサンダーランド)らのプレミアリーグのスターも姿を見せましたが、前回のロンドンゲームに比べると、派手さに欠ける面子でした。
それもそのはずで、インターナショナル・ウィークにあたるこの週、代表選手はワールドカップ予選に召集されていたからです。
私が個人的に最も印象に残ったのはNBAのコミッショナー、デビッド・スターンです。
試合を観ながらスターンは、ひとつのホットドッグを夫人とふたりで分け合って食べていました。
感動的な夫婦愛というべきか、金持ちほどセコイというべきか……どちらにしろ、強烈な印象を残す人物でした。
拍子抜けしたのは、「NBAから重大な発表がある」と私も含めてこの日集まったプレスは全員記者会見場に集められたのですが、その内容は「NBAとAEGが共同で、中国に少なくとも12のアリーナを建設する」というもの。
ロンドンの記者にとっては、ほとんど「それがどうした?」としかいいようのない話で、皆、ガッカリでした。
マイアミ・ヒートのルーキー、マイケル・ビーズリーは以前、カンザス大学時代の彼を見たことがあって、期待していたのですが、生で観たプレーはいっそう素晴らしかったです。
いずれNBAを代表するスターになることでしょう。
北京五輪で大活躍した同じくヒートのドゥエイン・ウェイドも素晴らしい。
彼は本当に翼があるかのように跳びます。
すでにNBAでの優勝経験も持つ、スーパースターですが、もしかすると見かけよりもずっと若い感性の持ち主かもしれません。
彼の好きなテレビ番組は『スポンジ・ボブ』。
これは私の4歳半の息子と同じですから!
2008年10月10日
最下位に沈むトッテナムの誤算
トッテナム・ホットスパーの躓きは今シーズンのサプライズのひとつです。
トッテナムはビック4(マンチェスター・ユナイテッド、チェルシー、アーセナル、リバプール)を脅かす最有力とされていましたが、現在はリーグ最下位です。
これは1912年(奇しくもタイタニック号が沈んだ年です)以来、最悪のスタートです。
トッテナムは昨季カーリング・カップ(リーグ・カップ)で優勝して以来、低迷しています。
今夏には、他クラブがあまり大きな動きを見せない中、ハデな補強を行ないました。
その結果、多くの選手の入れ替えが行なわれましたが、これが混乱と低迷を呼んでしまったようです。
オランダ人監督マルティン・ヨルが指揮を執っていた時代、トッテナムにはイングランド代表が6名いました。
それが今ではルカ・モドリッチ(クロアチア)やジオバンニ・ドス・サントス(メキシコ)、ロマン・パブリチェンコ(ロシア)、ヴェドラン・コルルカ(クロアチア)やエウレリョ・ゴメス(ブラジル)といった外国人選手にとって代わっていますが、彼らはプレミアリーグのペースに慣れるのに苦しんでいます。
トッテナム会長ダニエル・レビーは補強策のすべてをフランス人のフットボール・ディレクター、ダミアン・コモリに任せましたが、彼は国外から選手を買いすぎたようです。
ファンの怒りの矛先はコモリに向かっており、近々辞任、あるいは解任されるのではないかと噂されています。
前監督ヨルも「低迷の原因はイングランドのクラブとしてのポリシーを捨てたからだ」と指摘しています。
成績不振でスパーズ監督を解任されたヨルは現在、ハンブルクをブンデスリーガ首位に引き上げました。なんて皮肉な話でしょう!
監督のファンデ・ラモスは極度のプレッシャーの中で戦っており、先週のハル・シティ戦でも観客からヤジられました。
昇格チームのハル・シティは4位。トッテナムより17位も上にいます。
こんな状況を誰が予想できたでしょうか?
年俸400万ポンドのラモスの契約はあと3年残っていて、解任するとなると1200万ポンド(日本円にして約24億円)を支払わなければなりません。
レビー会長はラモスを解雇したくてもできない、といわれています。
レビーは夏にたっぷり金をかけて補強し、トッテナムをチャンピオンズ・リーグへ進出させるつもりだったといわれています。
チャンピオンズ・リーグのテレビ放映料が保証されれば高い金額でクラブを売却できると考えていたのでしょう。
しかしながら、話はそううまく進まなかったというわけです。
2008年10月03日
プレミア・リーグのサプライズ
今シーズンのプレミア・リーグのサプライズは、昇格組のハル・シティかもしれません。
ハルはサッカーよりもラグビーのファンが多いチームです。
しかしながら、先週末、エミレーツ・スタジアムでアーセナルを倒すと、マンチェスター・ユナイテッドより上の6位に上がりました。
アーセナル戦では3000人のハル・シティのサポーターが応援にかけつけました。
ハル・シティを率いるのは、サム・アラダイスがボルトンで指揮を執っていた時にアシスタントを務めていたフィル・ブラウンです。
ブラウンはアラダイスのもとを離れてから、ダービー・カウンティの監督になりましたが、すぐに解雇されました。
それもあって、先週末の試合後には、「今シーズンはまだ32試合も残っているのに、ダービーが去年1シーズンで獲得した勝ち点にハルはもう並んだ」という人を食ったコメントを残していました。
ハルはチームスピリットに溢れており、そこに元マンチェスター・シティのジオバンニという才能あふれる選手が見事に噛み合っています。
先週末の試合に出場した選手のうち、今年5月のプレミアリーグ昇格を賭けたプレーオフを経験したのは4人しか残っていませんが、そのうちのひとりであるキャプテンのイアン・アシュビーは、ハルがリーグ2(実質4部リーグ)の頃からプレーしており、今でもチームを牽引しています。
このオフに選手の入れ替えが激しかったのですが、このような状況で見事にプレミアで勝てるチームを作り上げたブラウンの手腕が光ります。
ブラウンはアラダイスの右腕としてボルトンの躍進とUEFAカップへの出場にひと役買いました。
だからブラウンは同様のことをハルでもやってくれるのでは? と期待しているハルのサポーターは多いようです。
今季のハルの強さはフロックではないと思います。
しかし、昨年2部に降格したレディングがそうだったように、昇格1年目にサプライズを起こしたチームの鬼門は2年目以降にあります。
ハルは本当にミラクルチームなのか? その答は2009-10シーズンが終わるまで待ったほうがいいのではないでしょうか。

