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2008年06月26日

元チームメイトだったインスが監督に

今週、ポール・インスがブラックバーンの新監督に就任しました。
ニュースとしてはそれほど重要ではないかもしれません。
しかし、イングランド出身の黒人が監督になるのは、プレミアリーグ初なのです。
プレミアリーグでは黒人監督は過去2人いました。
チェルシーとニューカッスルを率いたルート・フリットとフルアムを率いたジャン・ティガナですが、フリットはオランダ、ティガナはフランス出身と2人ともイギリス人ではありませんでした。

イングランドには多くの黒人選手がプレーしていますから、彼らが引退後に監督になるのは驚くことではありません。
ですが、実際にはそのチャンスを得た者はほとんどいなかったわけです。

インスはまず最初に下部リーグのマクルスフィールド・タウンで監督のキャリアを始め、それからMKドンズで見習い監督もしてきたようにプレミアリーグの監督になるために厳しいルートを辿ってきました。
選手としての名声を得ていた彼でさえ、そうした苦労を重ねる必要があったのは驚きです。

さらにブラックバーン監督としてのインスを待ち受けるのはかなり困難な仕事です。
ブラックバーンをリーグの中位に押し上げたマーク・ヒューズの後を継ぐというだけでもかなりのプレッシャーを受けることになりますし、デイビット・ベントリーやロケ・サンタクルスといったチームの中心選手がビッククラブへ移籍する可能性が高いからです。

ウェストハムで、私とインスはチームメイトでした。
その当時の彼は監督向きの性格とは思えませんでしたが、マンチェスター・ユナイテッドやインテル、リバプールなどのビッククラブ(もちろん、ウェストハムもビッククラブですよ)を渡り歩いて、さまざまな経験を積んだことが彼を成長させたのでしょう。

インスはマンチェスター・ユナイテッドの1994年の3冠メンバーのひとりです。
この時のメンバーからは、マークヒューズ(マンチェスター・シティ)、スティーブ・ブルース(ウィガン)、ロイ・キーン(サンダーランド)とすでに3人がプレミアリーグの監督になっており、インスは彼らに次ぐ4人目になるのです。

インスはプレミアリーグで最初のイギリス出身の黒人監督として、すでに伝説になることは確定済みです。
その後に続く後輩たちのためにも、そして彼自身のためにも、彼は成功を収めねばなりません。
大きなプレッシャーがかかりますが、首尾よく成功すれば、それは彼の選手としてのキャリアよりもはるかに価値の高いものになるでしょう。

投稿者 steve : 14:56

2008年06月20日

EURO終了後のロナウドの動向

イギリスで最も大きな話題が、ルイス・フェリペ・スコラーリ氏が、この夏からチェルシーの新監督に決定したというニュースでした。
彼はブラジルやポルトガルで結果を残したとても優れた監督なので、チェルシーサポーターはこの話を好意的に受け止めているでしょう。
しかしながら、久しくクラブの監督をしていないのが心配ですが、優れた実績と強い個性の持ち主であるスコラーリは、サポーターにあまり人気がなかったアブラム・グラントの後任として、より歓迎されるはずです。

新監督スコラーリがいったい誰を補強するのか、メディアはチェルシーに来る可能性がある選手たちについて過熱状態になりました。
デコやカカ、リカルド・カレスマ、ロビーニョなど、スコラーリとコネクションのあるブラジルやポルトガルのスター選手が来る可能性がありそうです。
チェルシーの今季最大のターゲットはカカだと言われています。
スコラーリは18歳のカカをブラジルA代表に抜擢した監督で、カカとの関係は良好以上。
カカは「ミラノを離れる気はない」とコメントしていますが、ミランのチーム状態に不満を抱いているとも言われています。
今後の動きに要注目です。

スコラーリの就任はクリスチアーノ・ロナウドがレアル・マドリーへ移籍するという噂をますます加速させました。
EURO2008期間中、スコラーリはロナウドにレアル・マドリーへ移籍するよう説得していると言われています。
イギリスではロナウドがすでに数か月前にレアル・マドリーとサインしたというレポートも出ています。

確かに昨シーズンのロナウドはプレミアリーグでも桁違いでした。
アレックス・ファーガソン監督とマンチェスター・ユナイテッドは「ロナウドを売るつもりはない」と主張し、レアル・マドリーがメディアを通じてロナウドに移籍を呼びかけているのは違法だとして、FIFAに報告書を提出するなど、対抗措置を取ってもいます。
しかし、ロナウドを移籍させることで巨額の移籍金と数名の選手が手にできるならば、ファーガソン監督はロナウドを売るだろうとみられています。
それというのも、デイビッド・ベッカムの時にも言われたように、ファーガソンはひとりの選手が傑出した存在になるのを嫌う監督です。
彼が寵愛しているのがポール・スコールズやガリー・ネビルのような選手であることからも、ファーギー(ファーガソンの愛称)の考え方がわかるというものです。
監督の目には、最近のロナウドが好ましくない選手と映っているという噂も出ています。
EURO終了後のロナウドの動向には要注目です。

投稿者 steve : 16:47

2008年06月13日

プラティニより不快なマクラーレン

EURO2008が始まりましたが、イングランド代表が出場していないため、イングランドサポーターたちの関心は薄いです。
まるでイングランド代表とサポーターに批判的なUEFA会長のミシェル・プラティニの狙いが当たったかのようでした。

プラティニは、「EURO2008はイングランドが出場しないので良い大会になるだろう」と言っていました。
それは、彼がフーリガンだと決めつけているイングランドサポーターが大会に来ないことを意味しています。
もちろん、イングランドサポーターがトラブルを引き起こしているのは事実ですが、全体から見ればわずかな数でしかなく、それでイングランドのファンのすべてをフリーガンというのは不公平というものでしょう。

イングランドサポーターは試合に独特の“雰囲気”を持ち込みます。
彼らの応援歌、チャント、手拍子、口笛、ブーイングは試合の雰囲気を盛り上げ、活性化します。
英国でサッカーの試合を見た外国人の多くが感心するのも、この独特の雰囲気なのです。
フーリガンではないイングランドサポーターの大多数が、この素晴らしい雰囲気づくりに貢献していると思うのです。

最近はイングランドのフーリガンをもしのぐといわれるポーランドのフーリガンやドイツのフーリガンが衝突する心配がありますが、彼らの起こした事件はそれほど大きく報道されてないように感じます。
同じことがイングランドがらみで起こると、大騒ぎになるというのに。

イングランドはテレビ放送による広告料でUEFAに莫大な収益をもたらしているのに、イングランド代表の不在を喜ぶプラティニは偽善的と言っていいと思います。
UEFAが世界中で遂行する多くのプロジェクトに資金が必要ですが、その資金集めに最も貢献している国のひとつがイングランドなのですから。
そもそも組織のトップに立つ者が特定の国の不参加を喜ぶような言動は避けるべきだと思います。

でも、イングランドサポーターを最も怒らせ、不快にしているのはプラティニではありません。
前イングランド代表監督スティーブ・マクラーレンです。
今回の予選敗退チームを率いていたというのに、彼はのん気にEURO2008のラジオ放送の解説者を務めています。
「マクラーレンには責任感というものはないのか?!」という声も聞かれます。
でも、そんな彼だから、イングランドは予選を突破できなかったのだということも言えるでしょう。

投稿者 steve : 12:43

2008年06月05日

イングランドがカリブに飛んだ理由

先週末、ヨーロッパ各国はEURO2008(ヨーロッパ選手権)の準備として国際親善試合を行ないました。
しかし、EUROに出場できないイングランドはカリブ海へ飛び、トリニダード・トバゴと対戦してきました。

トリニダード・トバゴは決して強豪国ではありません。
イングランドは各国から試合を申し込まれ、対戦相手については常に選べる立場ですから、シーズンオフとはいえ、中米に遠征してまで、トリニダード・トバゴと対戦する意味があるとはとても思えません。

はっきり言ってしまえば、これは代表チーム強化のためではありません。
トリニダード・トバゴサッカー協会の顧問を務めるジャック・ワーナー氏はFIFAの副会長であり、北中米カリブ海サッカー連盟の会長でもあります。
イングランド・サッカー協会(FA)にとって魅力的なのは、トリニダードの選手たちでも、カリブ海でのバカンスでもありません。
ワーナーFIFA副会長の役職だけがFAをひきつけ、そのおかげでイングランド代表は遠い地で親善試合をやる羽目になったのです。
北中米カリブ海サッカー連盟のボスであるワーナー氏は、その手にワールドカップ開催国の投票権を4票持っているのと同じです。
2018年のワールドカップ開催国に立候補しているイングランドは、ワーナー氏の4票を得られれば、ヨーロッパ全8票と合わせて12票。
イングランドは他の地域から残り1票だけ獲得すればいい計算になります。

トリニダード・トバゴサッカー連盟創設100周年記念試合だった、この親善試合では久しぶりにデイビッド・ベッカムがキャプテンマークをつけました。
イングランド国内ではベッカムを代表に入れるべきか否かについて、まだ論争は続いていますが、ワーナー氏にとってはベッカムの存在はとても重要だったようです。
ベッカムの影響力は今でも大きく、2018年ワールドカップ招致のための広報係としてますます大きくなるでしょう。
それがイングランド代表のファビオ・カペッロ監督にとっては喜ばしいことではないとしても。

2012年にはロンドン・オリンピックがやってきます。
しかし、イギリス国民の反応は嬉しいだけではありません。
なぜならオリンピックの予算が当初の予想を裏切り、だんだん高くなっているからです。
不足分を補うために税金が投入されるわけですが、これはイギリス国民にツケをまわすだけのことで、納税者からは早くも不満の声が出ています。
ただでさえ経済状態が良くないところに、スポーツイベントのためにさらに多くの税金を払わねばならないという事態は国民の望むところではありません。
開催する側は経済効果の大きさを主張しますが、納税者が全員、その恩恵に浴するわけではないのですから。
2018年ワールドカップのホスト国が決定するのは2011年。
その時、イギリスの一般の人々がどんな反応を見せるのか、興味深いところです。

投稿者 steve : 13:06