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2008年05月30日
ロシアのサッカー界が改革中
皆さんすでにご存じのとおり、今年のチャンピオンズ・リーグの決勝はモスクワで行なわれ、UEFAカップはロシアのゼニト・サンクトペテルブルクが優勝しました。
ロシアのサッカー界は改革中で、その背景には巨額なお金が動いているようです。
ロマン・アブラモビッチ氏はチェルシーのオーナーとして最もよく知られている存在ですが、ロシアには他にも多くのリッチマンがいるようです。
ロシアの富豪たちがスポーツやサッカーにお金をつぎ込む理由はウラジーミル・プーチン前大統領がそうするように圧力をかけていたからです。
もし彼らがロシアのスポーツに投資しなかったら、彼らは資産を取り上げられていたでしょう。
アブラモビッチ氏はロシア国内のユースサッカーに年間5500万ドルも投資していました。
ソ連時代、スポーツは他の国に対してソ連の強さを示すために使われていました。
今ではプーチンが強大なロシアを見せつけるために、再びスポーツを利用しています。
ロシア・プレミアリーグに所属する選手たちの給料は非常に高額で、多くの選手は海外に出るよりも自国に留まろうとします。
他国では、選手たちは高い給料を得るために海外でプレーすることを望むのですが、ロシアだけは例外です。
ゼニトのスター、アンドレイ・アルシャービンは現在バルセロナ移籍の噂がありますが、スペインのクラブに入ると給料が減ると言われてています。
サッカーには多くの大会がありますが、ロシアがホスト国になったのは今年のチャンピオンズ・リーグの決勝戦が初でした。
ロシアはユーロ2016や2018年のワールドカップにも立候補しようとしています。
2014年の冬季オリンピックはロシアのソチで開催されるのが決まっています。
次の2回のワールドカップは南アフリカとブラジルです。
これらは比較的経済的に貧しい国なので、FIFAは大金を得られそうな国を探しています。
そのため2018年の大会は商業が発展しているイングランドとロシアのどちらかになると目されています。
最近の4年間では、ロシアはUEFAランキングで15位から6位に上がっており、5位のオランダを追い越す寸前でもあります。
加えて、来シーズンはロシアは3チームがチャンピオンズリーグに参戦します。
近いうちにロシアはチャンピオンズ・リーグの決勝戦の地だけではなく、決勝に進出するチームの国になるかもしれません。
投稿者 steve : 13:40
2008年05月23日
プレミアリーグのサバイバルゲーム
土曜日のウェンブリー・スタジアムでブリストル・シティとハル・シティが対戦します。
この試合は来シーズンのプレミアリーグに昇格する3つめのチームを決めるための試合です。
チャンピオンシップ(プレミアリーグの下、2部に相当するリーグ)の首位ウェストブロムウィッチ・アルビオン(以下WBA)と2位ストーク・シティはすでに自動昇格を決めています。
彼らにとって気が重いのは、今シーズン、リーグの最下位に定着していたダービー・カウンティの姿と自分たちが重なって見えることでしょう。
結局降格が決まったのはダービー、バーミンガム・シティ、レディング。
レディングは2シーズン、ダービーとバーミンガムはわずか1シーズンで2部へ逆戻りとなりました。
ダービー、バーミンガムと同じ、昨季の昇格チーム、サンダーランドはプレミア残留を果たしましたが、それは巨額の投資とロイ・キーンの堅実なマネジメントのおかげです。
WBAはプレミアリーグで戦った経験があるので、ある程度の準備はできているでしょう。
しかし、それ以外のチームは昇格を喜んでばかりもいられない、大変な時期に直面していると言えます。
チャンピオンシップとプレミアリーグのレベル差はここ数年劇的に広がっています。
たとえば、プレミアリーグのチームがチャンピオンシップの選手を獲得することは最近はすっかり稀になってしまいました。
若くて経験の浅いチャンピオンシップの選手よりも、フランスやスペインなど、国外から経験豊富な選手を獲得するのが普通です。
かつてウェストハムやニューカッスルの監督を務めたグレン・ローダー(現ノリッジ・シティ監督)が2006-07シーズンに、こんなことを言っています。
「現在のチャンピオンシップの選手で、プレミアでも通用できるのはジャイルズ・バーンズ(ダービー)とガレス・ベイル(当時サウサンプトン、現トッテナム)のふたりしかいない」。
残念ながら、プレミアのスカウトたちの見解もおおよそ似たようなものです。
ハル・シティで最も良い選手のひとりにフレイザー・キャンベルという選手がいますが、マンチェスター・ユナイテッドからのレンタル移籍です。
最近のチャンピオンシップは、プレミアクラブの若手が経験を積むための場というほうが正しいのかもしれません。
来季、昇格する3チームは果たして、この世界で最もタフなリーグで生き残っていけるのでしょうか。
このサバイバルゲームもプレミアリーグの大きな見どころのひとつとして注目していきたいものです。
投稿者 steve : 15:37
2008年05月15日
ドラソーは人種偏見の犠牲者なのか!?
2、3週間前のことですが、ヴィカシュ・ドラソーを特集した映画に関するプレスリリースを受け取りました。
映画会社はこの映画をロンドンで上映する前に、ドラソー本人のインタビューを企画してくれました。
ドラソーはパリ・サンジェルマンやミラン、フランス代表でプレー。
2006年のドイツ・ワールドカップでプレーした最初の南アジア人でした。
彼はノルマンディー近くのアルフレール生まれですが、両親はインド系モーリシャス人です。
この映画は『Substitute(控え選手)』というタイトルで、ドラソー自身が自分の8mmカメラを使って撮影したものです。
練習時間や代表チームのホテルでの生活などとてもプライベートな部分が収められており、非常に臨場感にあふれたものでした。
ワールドカップ決勝でイタリアに敗れた後のフランスのドレッシングルームの非常に寂しいシーンも収められています。
ドラソーはワールドカップではわずかな出場時間しか得られなかったことに非常に落胆しており、彼の話は大会期間中のベンチに追いやられていた時のことがほとんどでした。
他の多くの選手と同様、ドラソーもレイモン・ドメネク監督との関係が良くなく、彼は「ドメネクに裏切られた」とさえ言いました。
ドラソーは「自分はフランス国民が見たいと思うタイプのルックスではなかったから、ワールドカップのスタメンに選ばれなかった」と話しました。
当時フランスでは、彼のようなインド系よりも、ジネディーヌ・ジダンのような北アフリカ系、あるいはパトリック・ヴィエラのようなアフリカ系の外見に興味が持たれていた、というのです。
「サッカーはとても大きなビジネスで私には合わない」と彼は言いました。
まだ34歳と若いドラソーですが、昨年末にサッカー界から身を引きました。
かつて彼が10番をつけてプレーしたパリSGをいまでもに深く愛しているものの、「スタジアムでは警官に殴られるので、もう何年も行っていない」と寂しそうに語っていました。
才能あるファンタジスタだったドラソーは、結局人種偏見の犠牲者なのでしょうか。
マイノリティの彼が生きていくには、欧州サッカー界は厳しすぎたのでしょうか。
その答を知りたい人はぜひ、映画『Substitute』を見てください。
投稿者 steve : 19:40
2008年05月09日
4万5000人がモスクワ旅行を計画
今年のUEFAチャンピオンズ・リーグの決勝はモスクワで行なわれることが決まっており、そこでイングランドの2チームが対戦します。
マンチェスター・ユナイテッドとチェルシーの4万5000人ものサポーターがモスクワ旅行を計画しており、決勝はさぞや盛り上がるのではないでしょうか?
ところが、事実はそうではありません。
イングランドからモスクワへの旅は実はとても難しいのです。
ホテルは値上がりし、ノボテル(低料金で有名な大衆ホテルチェーン)でさえ1泊1200ポンド(約24万円)にもなります。
飛行機は今は最も安いので900ポンド(約18万円)です。
ポーランドやオーストリア経由であれば、もっと安価で行けるのですが、モスクワにたどり着くのに13~22時間もかかってしまいます。
さらに、ロシアに入るにはビザが必要で、発行までの時間と65ポンド程度の手数料もかかってしまいます。
しかし、これについては決勝のチケットを持っていればビザなしで入国できるという気の利いたアイデアがUEFAとロシア政府の間で取り決められました。
現在モスクワはロンドンよりも物価が高いので、何もかもが高価な旅行になってしまいます。
1999年のバルセロナで行なわれたヨーロッパチャンピオンズ・リーグ決勝に行ったマンチェスター・ユナイテッドのファンでも、
今回はチケットを手に入れながらも旅費が高すぎて行けないという人がいるのです。
こうした状況は事前に予想可能だったにも関わらず、なぜUEFAはモスクワを選んだのでしょうか?
ロシア、特にモスクワはUEFAにとって商業開拓地であるので、今回の決勝はいわば見本市なのです。
2012年に行なわれる次回のEURO(欧州選手権)はポーランドとウクライナで開催されますが、それも同じ理由です。
来年のチャンピオンズ・リーグ決勝はイタリアのローマで行なわれますが、ローマでは近年、ファンによっていろいろな問題が起こっているので、モスクワとは別の意味で開催に疑問符が付きます。しかし、開催地を決定する時に、ファンの事は考慮されないようです。
チャンピオンズ・リーグ、EURO、その他もろもろのサッカーのビッグイベントは「誰のためのイベントなのか?」、もう一度問い直すべきではないでしょうか。
投稿者 steve : 11:42
2008年05月02日
真のプレミアリーグスタイル
先週の土曜日、私はプレミアリーグ優勝がかかったチェルシー対マンチェスター・ユナイテッドの試合に行ってきました。
重要な試合の雰囲気はスタジアムの最寄駅に着くとすぐに感じられるもので、これはそういった試合でしか得られない特別なものです。
プラットフォームにいるファンは結果や選手について熱い議論を戦わせ、すでに興奮状態にあります。
マンチェスター・ユナイテッドは負けなければ優勝がほぼ決定し、チェルシーは逆転優勝のために負けられない試合です。
滅多に晴れないロンドンがこの日は快晴で、スペシャルマッチのためのお膳立てはすべてが整っていました。
私がプレスルームへ着いた時、現イングランド代表監督のファビオ・カペッロや、前イタリア代表監督マルチェロ・リッピ、元イングランド代表監督グラハム・テイラーといった面々がいるのにびっくりしてしまいました。
いつもならば、番記者が数名いるだけですが、この試合はプレミアリーグで最も重要な試合だったので、みんな来ているわけです。
チェルシーファンはクリスチアーノ・ロナウドがピッチに足を踏み入れた瞬間からブーイングをはじめました。
最も優れた選手が相手ファンによってなじられるのはイングランドの特徴でしょう。
クリスチアーノにとっては気分の悪い“歓迎”でしょう、ですが、これがプレミアリーグ独特の雰囲気を作り上げているのです。
マンチェスター・ユナイテッドファンは大声を張り上げてました。
ホームのオールド・トラフォードでの彼らは静かな印象がありますが、アウェーに遠征してくるファンは非常に熱狂的で、ホームとは信じられないぐらい違います。
この試合で最も輝いていたのはチェルシーのミヒャエル・バラックでした。
2得点をあげて、素晴らしい選手であることをアピールしました。
彼のゲームメイク、試合をコントロールするさまは見ごたえがありました。
とりわけ、チームメイトのディディエ・ドログバのあしらい方は最高でした。
ドログバは試合中ずっと敵味方関係なく、文句を言い続けていました。
FKを得た時、バラックとドログバはどらちがキッカーを務めるか、もめていました。
ボールがラインを割り、バラックはベンチのそばに置いてあった水を飲みました。
ドログバはバラックに近づき、「バラック、バラック、バラック」と呼び続けました。
しかし、バラックは彼をさらりと無視してピッチに戻って行きました。
ドログバはバラックに対して何もできないのだとわかった瞬間でした。
ファンはバラックを支持しており、ドログバは来シーズン、チェルシーを去ると言われています。
皆さん知ってのとおり、この試合はチェルシーがマンチェスター・ユナイテッドを2−1で倒しました。
この試合にはさまざまなアクションや口論、エンターテイメントがぎっしり詰まっており、真のプレミアリーグスタイルと呼べる試合だったと言えるでしょう。


ドラソーはパリ・サンジェルマンやミラン、フランス代表でプレー。