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2008年04月25日
思い出したくもないつまらないシーズン
ウェストハムの今シーズンも残すところあと3試合となりました。
私はこんなつまらないシーズンを後々思い出したくもありません。
ウェストハムのプレミアリーグ生活は10年ほどすぎていますが、我がハマーズ(ウェストハムの愛称)はUEFA杯やチャンピオンズ・リーグへの出場権を得たことはありませんし、あともう一歩というところすらも行けずにいました。
興奮したという意味では昨シーズンは素晴らしいものでした。
というのも、最終節にマンチェスター・ユナイテッドを倒してプレミアリーグ残留を決めたからです。
06-07シーズンの終盤は毎試合が重要で、ある意味、すべての試合がカップ戦の決勝戦のようなものでした。
あまり自慢できる話ではありませんが、それでも我々が毎試合、スリルと興奮を感じていたのは確かですし、チームもサポーターもプレミア残留という目標に向けて、ひとつになって戦ったのです。
残留争いをしていながら、我々は王者マンチェスター・Uにダブル(ホーム、アウェーどちらでも勝つこと)を喰らわせました。
ところが今季はリーグ10位前後にほぼ“停滞”。
降格の危機もないが、タイトルの望みもないという宙ぶらりん状態。
目的のない戦いは自然と活気のない、つまらないゲームに陥りがちで、退屈な試合内容にはサポーターもうんざり。
昨季の今頃はスリルの連続だった、と降格争いを懐かしむ声さえ少なくありません。
先週の土曜日、ダービー・カウンティに2-1で勝利したのですが、プレミアリーグ史上最弱と言われるダービー相手に辛勝でしたので、試合後には観客から大ブーイングが起こりました。
アラン・カービシュリー監督はケガ人たちを非難しています。
確かにケガ人にも責任はあるでしょう。
キーロン・ダイヤーやクレイグ・ベラミ、フレデリク・リュングベリといった面々たちは能力も高い反面、過去にも大きなケガをし、その影響がいまだに完全に消えていない選手たちです。
そしてそんな彼らに莫大な給料をチームは払っています。
マンチェスター・Uやアーセナルといったクラブからはもうお声がかからない彼らからすれば、ウェストハムは多額の給料をくれるいい場所なのです。
ジェームズ・トムキンスとフレディ・シアーズというユースから昇格した2選手は、高給取りや峠を越えた選手よりも将来性が豊かです。
もともと、育成の伝統で知られたウェストハムですから、トムキンスやシアーズのような若手を育てていくのが本来あるべき姿だと思います。
フランク・ランパード、ジョン・テリー、リオ・ファーディナンド、マイケル・キャリックといった現在のイングランド代表の主力選手たちはウェストハムのアカデミー出身です。
こうした選手たちを育てていながら、他クラブでお役御免になった選手たちに頼らざるをえないとは、あまりにも情けない話です。
カービシュリーが来シーズンも指揮するかどうかが興味深いです。
ハマーズ・サポーターは、カービシュリーが「チャールトン(ウェストハム監督以前に率いていたチーム。現在2部)の精神をウェストハムに持ってきた」と言っています。
それはプレミアリーグに残留することが楽しみで、リーグの上位を狙おうとしないという意味なのです。
2008年04月17日
サー・ボビーの素晴らしき人生
先週、SOCCER EXのロンドン会議がウェンブリースタジアムで行なわれました。
SOCCER EXは世界中のサッカー関係者のためのビジネス会議であり、私にとってはとても魅力的なイベントです。
今回のオープニングセレモニーはガン手術を何度か行ない、2006年には脳腫瘍も手術したサー・ボビー・ロブソンが招かれていました。
いまだに放射線での治療を受け、ガンと闘い続けているサー・ボビーですが、体調は良さそうで、我々出席者も安心しました。
現役選手、引退した元選手やメディアなどサッカー界の誰もがサー・ボビーを愛して止みません。
なぜなら彼は本当にフットボールとそれに関わる人々に対して心優しいからです。
彼は選手としてだけでなく、監督としてもイングランド代表、イプスウィッチ・タウン、スポルティング、FCポルト、PSV、バルセロナ、ニューカッスルなどで数々の実績を残してきました。
イングランド人の監督としては異例といっていいほどの国際派で、あのブラジルのロナウドが「自分が出会ったなかで最高の指導者」と慕っていることも有名です。
彼はSOCCER EXの主催者から生涯功労賞を受賞し、1978年にとても人気があったアーセナルを倒してFAカップを優勝した時のイプスウィッチの写真を贈られました。
彼にとって最初の監督としての偉業に当たる時の写真なので、その写真を見た時の彼の顔は喜びで溢れていました。
サー・ボビーは外国人選手を入れなかった両チームについて話し始めると、周りが止めるまで熱っぽく話し続けました。
彼はイングランドのフットボールクラブに多数の外国人選手が所属する現在のトレンドについて不満はないのですが、ただ違った考えを持ってました。
1957年のフランス戦でイングランド代表デビューを果たした時を振り返りました。
彼の出場給はわずか5ポンドで、その試合がテレビ放映されても、数ポンドもらえただけだったそうです。
彼はイングランド代表監督時代のプレッシャーについても話し、ある時は彼自身が最初の7選手を選び、彼の妻であるレディ・エルジーが残りの4選手を選んだというジョークも飛ばしました。
要所々に冗談を交えて、熱心に語る、サー・ボビーの姿は現代のフットボール界が失ってしまった、この競技に対するピュアな情熱に満ちています。
彼は今では故郷のダーラムに戻り、少年時代からサポートしているチームであるニューカッスルの試合に足を運びます。
「今でも私にとって、土曜日はフットボールの日なんだ」とサー・ボビーは言います。
なんて素晴らしい人生でしょう!
70歳をすぎた老人がフットボールと人生にいまだに熱狂しているのは偉大な事です。
今回は私たちにとってすべてが貴重なレッスンになりました。
サー・ボビーと彼が教えてくれた素晴らしい人生に拍手を送りたいと思います。
2008年04月11日
大雪のなかでもC・ロナウドは大活躍
いくら寒いイギリスでも、南部のロンドンでの4月の大雪は珍しいこと。(写真右から、妻のサンドラ、雪だるまのスノーウィー、息子のルーカス)
4月6日の日曜日、ロンドンはかなりの雪が降りました。
我が家は早速、家族で庭に雪だるまを作りました。
息子のルーカスが「スノーウィー」と名づけた、この雪だるまは鼻がにんじん、スカーフや毛糸の帽子を身に付け、バドワイザーのビール瓶を両手に持っています。
私たちは雪を楽しんでいましたが、マンチェスター・ユナイテッドは同じ日の午後、雪のなかでミドルスブラと対戦しなければなりませんでした。
結果は2-2の引き分けに終わりましたが、そのうちの1点は世界最高の選手であるクリスチアーノ・ロナウドによるものでした。
彼は現時点でプレミアリーグの得点王ですが、本来はストライカーではありません。
マンチェスター・Uはプレミアリーグとチャンピオンズ・リーグのダブル(二冠)を目指して戦っている最中で、すべてが重要な試合であり、選手たちには大きなプレッシャーがかかっても不思議ではありません。
しかし、C・ロナウドは毎週得点していると言っていいくらいの活躍です。
もし、ダブルが達成されたなら、第一の功労者がC・ロナウドなのは間違いありません。
そうなれば、今年のバロンドール(欧州最優秀選手賞)はC・ロナウドの手に渡る可能性が非常に高いと思います。
ミランのカカは昨シーズンほど良くなく、バルセロナの若き天才リオネル・メッシーはケガで苦労しています。
メッシーの同僚ロナウジーニョはもはや試合に出ていません。
この3人のライバルの状況からしても、C・ロナウドがバロンドールに選ばれてもおかしくないでしょう。
C・ロナウドはFIFA世界最優秀選手にもなれる絶好の機会を迎えています。
プレミアリーグとチャンピオンズ・リーグの二冠達成、これが実現できればほぼ当確といっていいはずです。
今年の年末にはマンチェスター・Uをトヨタカップで見られるかもしれません。
2008年04月03日
地方都市で行なう代表戦の価値
先週、ヨーロッパはインターナショナルウィーク。
列強にとっては6月7日から始まるEURO2008に向けての最終調整といったところです。
私はなかでも最も注目されたビッグマッチ、スペイン対イタリアを観戦しました。
フランス対イングランドというカードもありましたが、イングランドは本選に出場しないので、やや興味が薄れたのはいうまでもありません。
両者の対戦はスペインのエルチェという町で行なわれました。
正直、マドリードかセビージャで行なわれるのだろうと思っていましたから、エルチェまでの行き方を調べなければなりませんでした。
この町はスペイン南部にあり、ロンドンからアリカンテまで飛行機で行き、そこからタクシーで10分ほどでスタジアムに着く事がわかりました。
エルチェのチームはスペインリーグ2部ですから、チャンピオンズ・リーグやUEFAカップとも縁がなく、ここで開催されたフットボールのビッグマッチは1982年のスペイン・ワールドカップが最後でしょう。
ただし、この大会のことは覚えていますが、この町のことは少しも記憶に残っていませんでした。
スタジアムの名前はマヌエル・マルティネス・ヴァレロ(Manuel Martinez Valero)試合は親善試合で、スペインが1-0でイタリアに勝利
スタジアムは海のすぐそばにあり、イングランドと違ってとても暖かいです。
しかし、常に強い風が吹き付けて、砂地の駐車場は砂が渦巻いていました。
試合開始の夜10時には古いカウボーイ映画のような砂風がより強くなってました。
私たちは日中のうちにスタジアムへ入り、クラブショップなども見学しました。
イングランドの有名クラブと比べるととても小規模でしたが、そこで扱っているグッズは、すべてがアディダスやナイキといったブランドとは限らない新鮮さ、より人間味あふれるものでした。
スタジアム内に商用スペースがあるのですが、それらはお店ではなく、バーやナイトクラブでした。
こうした施設からの賃貸料もエルチェCFにとっては重要な収入源なのでしょう。
ここの観客はとてもにぎやかで献身的でした。
それはいつも世界レベルのサッカーを見る事ができないことも影響していると思います。
フェルナンド・トーレスやセスク・ファブレガスやワールドカップで優勝したイタリア代表を間近にすることは彼らにとっては完全な非日常、記念すべき機会でしょう。
12歳のボールボーイがボールをイタリア代表のジャンルイジ・ブッフォンに渡すのを拒んだのはとても面白かったです。
彼はきっとスペイン代表選手に渡したかったのでしょうね!
今回のような試合を、有名スタジアムとはいえないところで開催するのはとても良いアイデアだと思います。
私も子どもの頃、ワールドカップやEUROの予選のイングランド対スコットランドの試合は全部覚えています。
これは国全体にとっての大きな関心事ですから、どんな場所で行なわれようと、ファンは足を運びますし、テレビでも全国に放送されます。
その町をアピールすることにもひと役買うことになりますから、一石二鳥のアイデアですね。
イングランド代表の試合はウェンブリーでしか行なわれません。
それはスタジアム建設費を回収するためであり、プリマスやプレストン、ハルのサッカーファンにとっては非常な損失といえます。
地方都市は代表戦を行なう機会を失ったうえ、ウェンブリーへ行かない限り代表戦を見ることもできないのです。
このスタジアムは39000人収容で、もしサンチャゴ・ベルナベウでこの試合が行なわれていたら、これの2倍以上多くのファンが来るでしょう。
しかし、1回の試合の入場料収入よりも、地方都市に住むファンに貴重な代表戦を見る機会を提供するほうが、ずっと価値のある投資だと思います。
試合はスペインがダビド・ビジャの衝撃的なゴールの1-0でスペインが勝利しました。
フェルナンド・トーレスはとてもシャープでした。
スペインはワールドカップ王者のイタリアを倒したことで、エルチェの人々に大きな幸福感と一生の記念になる思い出を与えたことでしょう。


いくら寒いイギリスでも、南部のロンドンでの4月の大雪は珍しいこと。(写真右から、妻のサンドラ、雪だるまのスノーウィー、息子のルーカス)
スタジアムの名前はマヌエル・マルティネス・ヴァレロ(Manuel Martinez Valero)試合は親善試合で、スペインが1-0でイタリアに勝利