« 2007年09月 | メイン | 2007年11月 »
2007年10月25日
マクラーレンの気苦労は絶えない
まだ10月ですが、プレミアリーグではすでに多くの監督がクラブを去っています。最近ではボルトンのサミー・リーが退団し、トッテナムのマルティン・ヨルか、イングランド代表のスティーブ・マクラーレンが、リーに続くのではと、多くの人々が予想しています。
ボルトンの前任の監督、サム・アラダイス(現ニューカッスル監督)は急速に高齢化した弱いチームを期待以上にレベルアップさせました。それだけに、アラダイスの後を引き継ぐのは大変な仕事だったはずで、リーには同情を禁じえません。
プレミアリーグで監督をするチャンスはそう簡単には訪れないものですし、運に恵まれた人にしか回ってこないチャンスです。ですから、多くの監督たちは自分の能力を最大限にアピールするチャンスと捉え、何ができるかを見せるためにプレミアリーグのどのチームの監督でも引き受けようとするでしょう。しかし、リーの後任に就任する監督が、現在のボルトンに自分の将来のすべてを賭けるとは思えません。つまりボルトンの監督人事に何かエキサイティングなことが起こることはないでしょう。ボルトンのサポーターも、あまり多くを期待してはいないようです。
次にトッテナムですが、ヨル監督がチームを去るのはまず間違いないと言われています。トッテナムはセビージャ監督のファンデ・ラモスを執拗に狙っていますが、まだ進展はなく、次の監督はまだ決まっていません。トッテナムのサポーターにとって最もエキサイティングな監督は元選手のユルゲン・クリンスマンでしょう。彼は独特なスタイルを持っていますし、2006年のドイツ・ワールドカップでも結果を残しました。クリンスマン監督の誕生こそがトッテナム・サポーターにとってパーフェクトな人事です。クリンスマンならきっと開放的で魅力的なフットボールをしてくれるでしょう。
トッテナムは下位に低迷していますが、ヨルが辞任しないのはとても賢明なことなのです。なぜなら、辞任すると報酬はその段階で打ち切りですが、解任となれば契約期間中の全額が支払われるからです。
そして、すぐに監督のポストが空きそうな、もうひとつのチームは、イングランド代表です。もしイングランドがEURO2008の本戦に出場できなければ、スティーブ・マクラーレンは解任されるでしょう。2006年ドイツ・ワールドカップ終了後、イングランド代表監督にはマーティン・オニール(現アストン・ビラ監督)やアラダイスといった候補者がいました。それに加え、今ではジョゼ・モウリーニョも候補者のひとりです。彼とチェルシーの契約には、イングランドの他のクラブの指揮を執ることはできないという条項がありますが、イングランド代表を指揮してはいけないとは書かれていません。
最近では、もしイングランド代表がEURO2008の本戦に出場できたら、今度は優勝するためにマクラーレンをなんとしてもクビにして、モウリーニョに代表を率いてもらわなければならない!という意見すら流れています。マクラーレンの気苦労が絶えないのもよく分かりますね!
2007年10月18日
アメリカンスポーツがロンドンに集結!
もし、あなたがアメリカンスポーツのファンだったら、今のロンドンはまさに最高の場所でしょう。
というのも、2週間前にNHLがロンドンで行なわれ、先週はO2アリーナでNBAのボストン・セルティックス対ミネソタ・ティンバーウルブスの試合が行なわれました。さらに、2週間後にはNFLのニューヨーク・ジャイアンツvsマイアミ・ドルフィンズ戦がウェンブリー・スタジアムで行なわれます。
これはアメリカのプロリーグによるイギリスへの強烈な宣伝プランです。世界中でアメリカンスポーツは受け入れられてきましたが、イギリスだけは難しいマーケットだと言われてました。
アメリカンスポーツがイギリスで受け入れられない最大の障害が、イギリスでのサッカー人気でしょう。それは強迫観念と言ったほうがいいかもしれません。イギリス人にとってのサッカーは中毒のようなもので、彼らはアイスホッケーやアメリカンフットボールについて考える時間も興味もまったく持っていないのです。
私はNBAのロンドンゲームを観戦しに行ってきました。チェルシーのディディエ・ドロクバやペトル・ツェホ、ウェストハムのアントン・ファーディナンドやハイデン・マリンズ、アストン・ビラのナイジェル・レオ=コカーら、多くのプロサッカー選手も観戦しており、彼らはNBA選手がどれだけパワフルなのかを肌で知ることができたことでしょう。実際、プレミアリーグのサッカー選手たちは莫大な金額を稼いでいますが、NBAのスター選手たちは彼らよりもさらにパワフルに稼いでいます。
試合はとてもよく演出されていて、まるでアメリカのアリーナで観ているかのような雰囲気でした。NBA側の努力は賞賛に値すると思います。ですが、私にとって最も面白かったのは、群集のなかでウェーブの準備をしているドログバが巨大スクリーンに映し出された瞬間、観客から大ブーイングが起こったことでした。どうやら、この日のお客にチェルシーファンは少なかったようですね(笑)。
この試合には1万8689人もの観客が来場し、大成功でした。しかし、不運にもラグビーのワールドカップでイングランドが決勝に進出したために、スポーツ番組や新聞はラグビー一色となり、このNBAのロンドンゲームのことはあまり取り上げられませんでした。
アメリカンスポーツがイギリスで普及するのはやはり難しいようですが、バスケットボールには大きなチャンスがあると私は思っています。
2007年10月11日
順位を落とすとしたらシティの方!?
現在のプレミアリーグ順位表で、最も注目されているのは2位と3位。
そう、マンチェスターのふたつのクラブ、ユナイテッドとシティが並んでいるからです。
両チームともほとんど同じ成績で、勝ち点差はわずかに1ポイントです。シティはホームゲーム5試合をすべて勝利しており、昨シーズンには見られなかった、とても魅力的なサッカーをしています。
今シーズンが開幕して2か月。シティは主力が誰ひとりとしてケガをしておらず、スベン・ゴラン・エリクソン監督にとってはとてもラッキーといえます。さらにラッキーなことは彼が連れて来た新加入選手たちが見事な活躍を見せていることです。なかでも、ブラジル代表MFエラーノのパフォーマンスはとくに目立っており、マンチェスターではシティのエラーノとユナイテッドのクリスチアーノ・ロナウドのどちらが最もエキサイティングな選手かが話題になっています。
2週間前、エラーノは驚愕のフリーキックを決めましたが、そのゴールは「Match of the Day」(英国のサッカーTV番組)で月間ベストゴールにエントリーされるべきものでした。また彼は10月7日に行なわれたミドルスブラ戦でも2ゴールを叩き出しました。
一方のクリスチアーノ・ロナウドはスロースターターですが、それでもすでに3ゴールを挙げているのはさすがです。そのうち彼の本領も発揮されるでしょう。
彼と同様にマンチェスター・ユナイテッドも出だしはよくありませんでした。今シーズンのユナイテッドは1−0で勝つ試合が多いため、ジョージ・グレアムが率いていた頃のアーセナルとよく比較されます。しかし、これは華麗なサッカーを誇りにしているユナイテッドファンにとっては屈辱でしかありません。しかも、同じ街のライバルチームであるシティが、良い内容を見せているので、なおさらでしょう。
ですが、ユナイテッドも負傷者が10人もいたにも関わらず、先週はウィガン相手に4−0と圧倒的な強さを見せつけました。ユナイテッドの出来はあまりよくありませんし、新加入の選手はようやくフィットし始めたばかりです。ですが、アレックス・ファーガソン監督は彼らの現在のパフォーマンスをあまり心配してはいません。監督の関心は来年の3月に彼らがどんなプレーをしているか、に向けられているのです。その時期はプレミアリーグとチャンピオンズ・リーグが大詰めを迎えています。その3月に最高の力を発揮できることがタイトルを狙うチームにとっては非常に重要なのです。
今後もマンチェスターのふたつのチームは競り合いを続けていくのでしょうか? 残念ながら、この状態がシーズンエンドまで続くと考えている人は少ないようです。どちらかが順位を落とすとしたら、シティの方だろうとも言われてます。しかしながら、シティサポーターはここまでの結果とパフォーマンスに大満足しています。そして、ふたつのクラブの繁栄がベストと考えるマンチェスター市民にとっても、ひさびさにユナイテッドとシティが上位に並んだ順位表を眺めるのは楽しいことに違いありません。
2007年10月05日
今季のアーセナルに興味津々
新シーズンが始まって、大変驚いたことのひとつがアーセナルのスタートダッシュです。アーセナルはとても魅力的なサッカーで、しかもリーグ首位に立っています。
アーセン・ヴェンゲルは再びやる気になったようです。彼はチームを変革する名人であり、若い選手の能力を引き出すことも一流である、タフな指揮官であることをまたも証明してみせました。
また先週、アーセナルはエミレーツ・スタジアムへ移転して以来初めて、世界で最も裕福なクラブとして認定されました。1試合ごとに、アーセナルは310万ポンド(約7億7500万円)を稼ぎ、ピーター・ヒル=ウッド会長は、「ヴェンゲルが望むなら、我々は補強資金として7000万ポンド(約175億円)を用意している」と言っています。
アーセナルはすばらしいスタートを切りましたが、このような好調を維持し続けるのは難しく、最終的には6位くらいで終わると私は予想しています。
そう予想するのには4つの理由があります。
ひとつ目は彼らはまだ強豪と対戦していません。おそらく、ここまで、リーグ戦で最も苦労した試合は、引き分けに終わったアウェーのブラックバーン戦でしょう。アーセナルはいつもフィジカル勝負を得意とするチームに苦戦しており、ブラックバーンはまさにその典型でした。
ふたつ目はマンチェスター・ユナイテッドの存在です。スタートは決して良くありませんが、勝点ではアーセナルに肉薄しています。マンチェスター・ユナイテッドはシーズンが進むにつれて調子を上げていくでしょう。アーセナルは彼らから逃げ切れるでしょうか?
3つ目は2007年の1月から2月にかけて行なわれるアフリカ・ネーションズ・カップです。アーセナルはコロ・トゥーレやエマヌエル・アデバヨールといった何人かのアフリカ人選手抜きでこの期間を戦わなければなりません。もちろん、ライバルたちも条件は同じですが、アーセナルの快進撃を支えている、アフリカンたちの離脱は、他チーム以上の痛手になると思われるのです。
最後はアーセナルの選手たちはまだ若く、彼らはプレミアリーグとチャンピオンズ・リーグを戦い抜くために、肉低的にも精神的にも強くなる必要があります。コンペティションはステージが進むにつれて、プレッシャーも高まりますから、そこで選手の経験値がモノを言うのです。そこでアーセナルの若い選手たちがプレッシャーを跳ね除けていけるかどうかに、多少の不安を感じます。
それでも、アーセナルの魅力あるサッカーを観るのは楽しいことですし、これからのビッグ4を含めた強豪との対決、チャンピオンズ・リーグの行方もどうなるのか、とても楽しみです。1月の移籍市場でヴェンゲルが莫大な補強予算をどんなふうに使うのかも興味津々。今季のアーセナルはいろいろな意味で楽しませてくれるチームと言えそうです。

