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2007年04月27日
CL決勝の最悪のカードは!?
チャンピオンズ・リーグのベスト4には、チェルシー、マンチェスター・ユナイテッド、リバプールが残っているため、決勝でプレミア勢対決が実現する可能性は高いです。多くのファンは、決勝のカードが、プレミアで優勝争いを演じ、FAカップ決勝でも対戦するマンU―チェルシーになると信じています。
もちろん、リバプールの力も侮れません。レッズとマンUは長きにわたるライバル関係にあります。1970年代と80年代、リバプールは国内タイトルを独占してきましたが、マンUもこれに追いつこうと必死でした。この時の2チームの関係を知るリバプール・ファンは、近年勢力を振るうマンUとチェルシーに対して、チームの勢いを失っていながらも強い敵対心を持っているのです。それを象徴する光景が最近もありました。私はCL準決勝の第1戦、チェルシー―リバプールを観戦しましたが、リバプールのファンは「お前らの欧州カップはどこにある?」と皮肉って歌っていたのです。彼らが言うように、チェルシーには欧州カップ獲得歴がなく、逆にリバプールは5度も獲得済みです。
プレミアのチームで最も相手を憎み合い、ピッチ内外で激しい関係にあるのが、リバプールとマンUです。両チームのサポーターの衝突を避けるため、ナイターでなく正午過ぎにキックオフの時間が設定されています。つまり、早くに試合開始をするということは、それだけアルコールを飲む時間がなくなるのです。
しかし、舞台は変わってチャンピオンズ・リーグ決勝で対戦したらどうなるでしょうか? 舞台はアテネです。UEFAとギリシャ警察にとって最悪のシナリオは、リバプールとマンUのカードが実現すること。プレミアでの試合のように、アウェーのサポーターのほうが少ない、ということは起きません。中立地という条件を共有する両サポーターの数は、同じぐらいになるでしょう。どちらが敗れるにしても、アテネでは凄まじい光景を生んでしまうかもしれません。
2007年04月20日
人種のるつぼと化したユースチーム
4月16日、FAユースカップ決勝の第1戦でリバプールとマンチェスター・ユナイテッドが対戦し、2万人の観衆が見守るなか、2-1でマンUが昨季王者を敵地アンフィールドで破りました。
この2つのユースチームはイングランドのトップ2で、毎シーズンのように優勝争いを演じています。彼らはユースレベルでも輝かしい歴史を持ち、自分たちに誇りを感じています。かつて、ユース選手は地元出身の選手ばかりでしたが、アーセナルやチェルシーのユースアカデミーが外国人選手を獲得するようになって状況は変わりました。
その結果、以前よりも地元選手がプロになるのはかなり難しくなりました。ライバルが同じ英国人だけだったのが、いまでは欧州大陸、アフリカ、南米、北米、さらにはアジアの選手と増え、競争は激化したのです。
マイケル・オーウェン、ウェイン・ルーニーはリバプール出身で、地元クラブのトップ選手になったのですが、彼らは14歳のころから有名な存在でした。現在、ユースで評判の高い選手といえば、マンUのクレイグ・カスカートとリバプールのレイ・パタリルです。カスカートは、北アイルランド出身の18歳でポジションはセンターバック。ユースのキャプテンも務めています。トップチームのローマ戦、ワトフォード戦ではベンチ入りを果たしました。一方、パタリルは左ウイングの選手で、マイケル・オーウェン以来の才能豊かなオフェンスプレーヤーになるのではないかと言われています。世界中のユース選手としのぎを削ってきた、数少ない英国人選手の将来が楽しみです。
2007年04月13日
増加する外国人オーナーにファンは何を思う?
チェルシーの例を見ればわかるように、イングランドのクラブは外国資本による買収や提携が相次いでいます。最近の例で言うと、アーセナルがMLSのコロラド・ラピッズとパートナーシップ契約を結び、経験の浅い若手を米国に送り込み、試合経験を積ませ、それと同時にマーケット拡大を狙っています。
石油業で財を成したアブラモビッチは、多額の負債を抱えていたチェルシーを再建。“ロンドンのチェルシー”から“世界のチェルシー”へと成長させたが、アブラモビッチ後のクラブはどうなるのだろうか
先週にはコロラド・ラピッズのオーナー、スタン・クロエンケがアーセナル株式の9・99%を取得しました。もし、この米国人富豪がアーセナルを買収することになれば、プレミアリーグの外国人オーナーはさらに増えることになります。現在、チェルシーとポーツマスのオーナーはロシア人、マンチェスター・ユナイテッド、リバプール、アストン・ビラは米国人、フルアムはエジプト人、ウェストハムはアイスランド人と外国資本の勢いは止まりません。
外国人富豪によるクラブ買収という状況を受け入れなければならないサポーターは、複雑な気分にあります。資金力が豊富な外国人がオーナーになることによって、監督が欲する選手の獲得に多額の投資ができ、チーム強化を図れるというメリットがあります。ロマン・アブラモビッチがチェルシーを買収した際、ブルーズはプレミアリーグの中位に位置するレベルでした。しかし、過去に成しえなかったリーグ2連覇を達成するなど、現在では世界屈指の強さを誇るスター軍団です。
ただ、チェルシー・ファンのなかには、気持ちがクラブから離れてしまい、以前の幸せを感じられない人たちもいます。サポーターは、クラブが他クラブから買ってきた選手よりも、自前の選手を好みます。チェルシーで唯一のユース上がりのジョン・テリーが人気を誇るのはそのためでもあります。
とはいえ、オーナー業からアブラモビッチが手を引いたら、チェルシーはどうなるでしょうか? 彼自身は資本家ですから経済的に困ることはありませんが、チェルシーが現在のようにスターを獲得するのは難しくなり、勢力を維持できなくなるのではないでしょうか。
サポーターは外国人がオーナーであることに不安を抱いています。彼らは過去の経験から、“会長”はみずからもファンであるため、生き残るためにクラブを守るという気持ちがあるのを知っています。それと同時に、“オーナー”はビジネス目的にクラブを買収し、自身に経済的なプラス効果がなければクラブから去るかもしれない、と考えています。
短期的に考えると、外国人富豪の資金力で認知度、スター選手は増えます。しかし、地元選手が存在しないクラブへの愛着は、いずれ消えてしまうかもしれません。クラブへの愛を取るのか、それとも経済力による成功を取るのか。サポーターはジレンマに陥っています。
2007年04月06日
イングランド代表監督の適任者は不在?
前回、お話したように、スティーブ・マクラーレンは非常に不人気です。この指揮官が率いるイングランド代表はEURO予選で4位と苦戦中で、メディアや国民からの非難を受けています。重圧から逃れるため、マクラーレン監督は家族とともにサンフランシスコに旅行に出かけてしまいました。
国民から求められたイングランド人監督のマクラーレンはいま、彼らから解任を求められている。イングランド人で代表監督を務められる適任者がいないのが、現在のこの国の状況だ
マクラーレン監督の解任を求める声が上がっていますが、もし彼をクビにするならばFA(イングランドサッカー協会)は同監督に250万ポンド(約5億8千万円)も支払わなければなりません。そこで、タブロイド紙は1000万人の読者に向けて、各自25セントを寄付するように訴えかけ、マクラーレン監督を解任できる250万ポンドを集めようとしていました。
しかし、外国人ではなくイングランド人の代表監督を求める国民やメディアですが、マクラーレン以外に適任はいるのでしょうか? スウェーデン人のエリクソン監督が退いた後、何人かの若手イングランド人監督が候補に上がりましたが、彼らは現在、クラブで苦戦しています。アラン・カービッシュリーのウェストハムと、ステュアート・ピアスのマンチェスター・シティは降格の可能性もあるほどです。
いまでは、EURO96でイングランド代表を率い、現在も代表のアシスタント・マネジャーを務めるテリー・ベナブルズを求める声もあります。かつて、フース・ヒディンクやルイス・フェリペ・スコーラリ、さらにはマーティン・オニールにまで断れたFAは、彼らに再度、アプローチするかもしれません。もし、6月のエストニア戦に敗れることがあれば、何らかの決断を強いられるでしょう。
私が記憶している限り、イングランド代表は5年前にドイツを5-1で破って以来、好パフォーマンスを見せていません。イングランドのクラブは欧州でも力を発揮していますが、そのほとんどが外国人監督で、選手も多くの外国人選手が占めているのが現状です。
イングランドがタイトルを獲得したのは、40年前の自国開催となったワールドカップ。そろそろ、イングランドの将来について真剣に考えたようがよさそうです。


石油業で財を成したアブラモビッチは、多額の負債を抱えていたチェルシーを再建。“ロンドンのチェルシー”から“世界のチェルシー”へと成長させたが、アブラモビッチ後のクラブはどうなるのだろうか
国民から求められたイングランド人監督のマクラーレンはいま、彼らから解任を求められている。イングランド人で代表監督を務められる適任者がいないのが、現在のこの国の状況だ