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2007年02月23日

海外の敵も知るセルチック・ファン

 2月20日、グラスゴーで行なわれたチャンピオンズ・リーグ決勝トーナメント1回戦、セルチック-ミラン戦は0-0で終わりました。
今回はセルチック・ファンが相手のことをどう見ていたかをお話します。

 セルチック・ファンはサッカーに対する見識を持ち、優れた内容のサッカーを賞賛します。
試合前、私は何人かのファンに、ミランについて訊きました。
彼らは、ミランの伝統や、過去に欧州を6度制した歴史も知っていました。
これは、1967年にセルチックがリスボンで、カテナチオで一時代を築いたエレニオ・エレーラ監督率いるインテルを破って、欧州制覇したことで、セルチックのファンが国内だけでなく、欧州も意識するようになったのも関係しているかもしれません。

steve070223.jpg他のクラブでは傲慢なファンもいますが、セルチックの人たちは謙虚で、自分のチームだけでなく、相手を知る姿勢がある。これも、セルチックが強さを維持する秘訣なのかもしれない

 昨年12月にチャンピオンズ・リーグ決勝トーナメントの組合せが決まって以来、ファンはミランのことを追い続け、尊敬の目で見ていました。
しかし、それと同時に低調が続くいまのミランならば勝てるかもしれない、と考えていました。

 ミランが高齢なDFを何人か抱えているのは、セルチックにとって好材料ですし、本拠地セルチック・パークではファンが素晴らしいサポートをするので、相手チームにとっては厳しい一戦となる、とファンは見ていました。
それに、今季のチャンピオンズ・リーグで、4試合連続で無失点を記録するなど、好調を維持していましたから、セルチックにも勝算があると思うファンがいたのも当然です。

 残念なことに、守備的な布陣で臨んだミランのゴールを破ることはできませんでした。
第2戦は、セルチックにとってシビアな戦いになるでしょう。


投稿者 steve : 17:42 | コメント (0)

2007年02月16日

イングランド人が見る中村とは?

 イングランドのファンが、中村俊輔に印象づけられた、ということはほとんどありません。
それは中村の能力が低いからではなく、彼がプレーするセルチックがスコットランドリーグで戦っているからです。
隣国スコットランドのリーグは、スターが数多くプレーするプレミアリーグのファンから注目を浴びることがほとんどありません。
そもそも、スコットランドで誰かがワールドクラスのパフォーマンスを見せようとも、イングランドの人にとっては何の価値もないのです。

 中村は、チャンピオンズ・リーグのマンチェスター・ユナイテッド戦でFKを2発決めましたが、FK以外でのインパクトはありませんでした。
イングランドでは彼を「日本のベッカム」と見る人もいます。
プレースキックで才能を発揮しますが、他に際立ったものがない、という解釈です。
ただ、それは既述したように、スコットランドリーグへのリスペクトが欠けているからであって、中村の力をしっかりと見極めていないのが現状だと思います。

 こういった偏見は、過去にもありました。
現在、マンUでプレーするヘンリク・ラーションはセルチックでレジェンドになりましたが、イングランドでは彼のことをトップストライカーと見なす人はいませんでした。
ただ、ラーションのほうが中村よりも尊敬を集めていました。
彼はスウェーデン代表で多くのゴールを決めていましたし、北欧の雄は何度もイングランド代表を苦しめ、無視できない存在になっていたからです。

 イングランドのジャーナリストたちは、中村がプレミアリーグで通用しないタイプと見ています。
ゴールまでのパスが少ない試合の展開が、中盤で多くボールに触れる中村に向いていないからです。
もしかしたら、ボールにタッチする回数が極端に減るのではないでしょうか。
これでは、本領を発揮できません。

 もし、スコットランド以外で活躍の場を求めるなら、スペインが最適ではないでしょうか。
中盤を重視するスペインのサッカースタイルならば、能力に値するだけの結果を残せるはずです。

投稿者 steve : 19:08 | コメント (0)

2007年02月09日

イングランド一番の人気者は誰?

 ウェイン・ルーニーは現在、イングランドで最も人気のある選手でしょう。
彼はPFA(イングランド・プロ選手協会)やフットボールライターズ協会から賞をもらうような優等生タイプではありませんが、ファンから愛されているのです。

steve070209.jpg得点ランク5位のルーニーは、トップスコアラーを狙う。首位を走るマンUの大黒柱として君臨する

 なぜなら、ルーニーの育ちや好みが典型的なイングランドのファンと同じだからです。
ファンは彼を自分の姿と重ねることができます。
彼らはルーニー同様、労働者階級の出身で、収入は多くないものの懸命に働き、自分と同じ出自の成功者に期待をかけます。

ルーニーがピッチ内外でトラブルを起こすのも、ファンを惹きつける要因になっていると思います。
それに、この破天荒なスターはパブに行けば気軽にファンの隣の席に座るのですから、人気が出ないわけがありません。

 EURO2004や2006年ワールドカップでも国民からの期待を集め、ドイツでの世界最大の祭典で、中足首の骨折から復帰した時は、ジャーナリストやファンが過剰なほどに反応していました。

 ルーニーは、型破りのかつてのスター、ポール・ガスコインとそっくりです。
このふたりは、キャリアを通じて“かっこいい”イメージを創り上げたデイビッド・ベッカムとは対極にあります。

 ベッカムが人気者であるかといえば、かならずしもそうではありません。
マンチェスター・ユナイテッド時代、ベッカムは嫌われていました。
これはマンUがあまりにも強く、他人の成功を妬む傾向にある国民の気質によるものが大きかったようです。
そのマンUにいながらもルーニーに人気があるのは、チームがかつてのような無敵ではなく、リーグ2連覇中のチェルシーがイングランドで最も嫌いなチームになっている現状も関係しています。

投稿者 steve : 15:40 | コメント (0)

2007年02月01日

クラブから渡された一通の手紙

 前回、私はウェストハム・ユースで自信を持ち始めたことを話した。
だが、今回は挫折した経験を書きたい。
クリスマス休暇で学校が休みになった時、私はウェストハムでほとんどの時間を過ごした。
練習に励むと同時に、ドレッシングルームの掃除やトップチームの選手のシューズを磨いてバイトにも精を出しながら年末を過ごしたけど、私のキャリアを左右する重大な問題が起きた。

 年が明けた1月、私はクラブからある手紙を受け取った。

stevefired070201.jpgこれが、82年にウェストハムのコーチから渡された解雇通知。失望したが、ボールを蹴りたいという想いは強く、サウサンプトンに移籍した

「ウェストハムはユースの人数を減らさなければならない。
君のキャリアはこれからも続く。別のクラブを探してもらいたい……」
 
 契約解除だった。もう絶望的な気分になったよ。
良いパフォーマンスを見せていたし、低評価を下されることなんかなかったから。
しかも、面と向かって言われることもなく、一枚の紙をコーチに渡されただけだ。
好感を抱いていたクラブへのイメージが変わったよ。
後でそのコーチには励ましてもらったけど、気持ちの切り替えは簡単にはいかなかった。

 残念な結果に終わったけど、他の仲間を見ていると複雑な気分にもなった。
前回のブログで書いたポール・インスはプロで成功したけど、トップチームに上がったほとんどの選手は解雇されて、下部リーグ行きを強いられた。
また上に這い上がるのは、容易なことじゃないから、やはりプロで生活していくのは大変なことだ。

 ウェストハムの退団後、私はサウサンプトンのユースに移ったけど、結局プロ契約を交わすことはできなかった。
平日は仕事をしながら2回の練習に参加し、土曜日に試合をする、というセミプロの生活を続けた。
雇用形態はどうであれ、プレーを続けられたのは何よりの喜びだった。

投稿者 steve : 18:47 | コメント (0)